第55章 街へ出よう
「ッは……はぁっ……」
みわはイッたまま、動けない。
どこも動かすことができずに、身体をオレに預けている。
射精して身体は冷静になってるけど、みわが愛おしくてどうしようもなくて強く抱きしめていた。
オレは、自分の手の中から大事なものがするりと抜けていくのを一番恐れている。
青峰っち。黒子っち。
キセキの皆と道を違えた時。
みわ。
彼女を喪いそうになった時。
あんな気持ちには、もう二度となりたくない。
今迄は、世の中から興味を無くすことによって自分を守っていた。
でも、海常で最高のチームに出逢えた。
最高の女性に出逢えた。
そうなるとまた、失うのが怖くなる。
どうして強くなれないのだろうか。
みわを腕の中に抱いている間だけ安心する事が出来るなんて、情けない。
暫く、言葉を交わすことなく抱擁していると、段々と別の部屋の歌声に混じって、みわの整った息遣いを感じる事ができた。
「ごめん……なさい……」
もう声がヒドイっスね。
「こんな所で……私……」
頭を撫でると、つやつやの髪がとても気持ちいい。
「いいんスよ……元々煽ったのはオレだし」
まだナカがキュウキュウとオレを締め付けてくる。
うねうねと絡みつく肉壁がオレを離したくないと、離れたくないと言っているようで堪らない。
帰ったら、また抱かせてくれるだろうか。
ふと気付けば、このドロドロの状態。
どうしよう。
溢れたみわの大量の愛液でオレの下腹部もベチャベチャだし……。
……後始末があるから、外ですんのあんま好きじゃないんスよね。
ちらりと部屋に目をやると、カラオケボックスには珍しく、ティッシュ箱が置いてあった。ラッキー。
身体の痙攣がおさまってきたみわの腰を支えて、立ち上がるのを助けた。
ずるりと抜ける際にもお互い快感が走り、僅かに眉を顰めた。
ティッシュ箱に手を伸ばしみわの秘部を拭こうとすると、とろりとろりと奥から奥から流れ出してくる。
こんなに濡らして。
「じ、自分で出来るから……!」
あせあせとオレの手を離し自分でティッシュを数枚出して、恥ずかしそうにスカートの中に手を突っ込んでる。