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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第55章 街へ出よう


なんとかアーティスト名を検索して曲を予約した。

「何入れたんスか?」

「あ、あの、あきにCD借りたの。私に合うからって」

すぐに画面が切り替わって前奏が始まる。
ナースのコスプレをして硝子を足で割るPVが有名な曲だ。

あきが、私の声に合うからとアルバムを貸してくれた。

「黄瀬とカラオケ行ったらこれとかこれ、歌うんだよ!」

という具体的なアドバイス付きで……。

ちらりと涼太の反応を伺うと少し驚いたような表情。

あれ? 私なんか選曲滑りましたか?

歌は運動ほど苦手ではない。
ただ、女の子らしい可愛い声は出ないので曲を選んでしまうけれど。

なんとかかんとか歌い終えると、涼太がこちらを向いてぽつりと言った。

「……エロい。何その声」

「ほぁぁぁあぁ!?」

思ってもみない感想が飛び交って、思わず大声で答えてしまった。

「ビックリした。みわ、歌上手いんスね」

「そ、そう、かな? 一応好きなの、歌は」

そこまで言うと、次の涼太の曲が始まった。

今度は、囁くようなバラード。
先ほどのアップテンポの曲よりもずっとずっと色っぽい。

涼太の声が耳の中へ、気持ち良く浸透していく。

歌詞の中の「愛してる」で、心臓が跳ねるのが分かった。

怒ってる暇がなくなってきた。
カラオケ、消耗が激しい!
意識しすぎ!?

ドキドキが外まで漏れそうになったところで、曲は終わってしまった。

もう少し聴いていたかったのにな。

最初は緊張するけど、1曲歌うと気が楽になる。
次はまた私の番だ。

今度は、同じアーティストの別の曲。
バラ園で撮影されたPVがキレイだったな。

たまに口ずさんだりするから、最初の曲よりも慣れてる。

こうやって歌うのって、やっぱりストレス解消になるなあ。

曲が終わってマイクを机に置くと、涼太がまたこちらを向いているのが見えた。

「? 涼太、どうし……」

そこまで言って、私の唇は涼太の唇に塞がれた。

「んんん!?」

力強く肩を掴んだ腕は、私を押し倒し身体を椅子に縫い付けるように押し付けた。

「んっ……ぅう」

手足をバタバタさせるけど、全く効果がない。

舌がゆっくりと口に侵入してくる。
いつもよりもゆったり、口内を焦らして弄ぶように。

「っん、……んん!」




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