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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第55章 街へ出よう


どうしてこんなにムラムラしてしまうんだろう。
今まで、外でこんなことになるのなんてなかったのに。

涼太がいけないんだ。
あんな所でキスしたり、手を繋いだりテーブルの下から足を……とか。

涼太のばか!

そう思うと、目の前で美味しそうにパンケーキやハンバーグを頬張る彼が、物凄く憎たらしく見えてくる。

テーブルの下から攻撃してやろうかと思ったけれど、密着しているのでどうにも動き出せない。

「ん? どーしたんスか?」

思いっ切り睨み付けてやると、目が合った彼はぽわんとした笑顔で返してきた。

…………涼太のばか!!

怒りの感情にいくらか変換したら、ムラムラした気分もだいぶおさまってきた。

申し訳ないけれど、今日残りの時間はこの気持ちを持って涼太に接していこう。

そうじゃないと、おかしくなる。

バスケの事などを話しながらパンケーキを平らげ、丁度時刻はお昼時に差し掛かるところだった。

ふと後ろを振り返ると、店の外には長蛇の列が出来ている。

「わあ、凄い列」

「早めに入って良かったっスね」

まだ少し残っているフレーバーティーをポットからカップに注ぎ、他人事だからか気楽にそんな話をしてしまう。

きっと、外は寒いから早く席空けてあげないと気の毒……。

「この後、どうしよっか。みわ、買い物しない?」

「も、もうお買い物は充分。涼太は何かしたい事ないの?」

「んー、そうだ、たまにはカラオケでも行く?」

「カラオケ?」

「……あ、カラオケボックスはもう行きたくないっスかね……」

去年の夏、強姦されそうになった事件。
あのお店に行くのはもう嫌だけれど、他のカラオケ店にまでそんな気持ちを持っているわけではない。

それに、涼太がいてくれるなら……大丈夫。

「ううん、カラオケ、行こうよ。久しぶり」

「みわは結構カラオケ行くんスか?」

「中学生の時に友達と何回か行ったくらい。歌える曲、少ないよ?」

「全然構わないっスよ!」

こうして、ふたりでカラオケに行くことになりました。



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