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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第9章 衝撃


今日は午後、3年生マネージャーの先輩と他校視察に行くので、朝の内に雑用を終わらせておく。

朝練が終わった後の皆のTシャツとかも、朝洗って干しておけば、午後練までにはすっかり乾いてるし。

朝練終わったら洗濯機を回して、1時限目が終わったら干しに来なきゃだから……結構バタバタだ。
ムダなく、ムダなく。

笠松先輩は、処置室のあの1件でだいぶ目を合わせづらいだろうに、いつもと変わらない態度で接してくれた。

よ、良かったぁ……
本当に、申し訳ありません……

今日はとにかく、集中して情報収集!
集中してる時は、余計な事を考えずにいられるから良かった。

数校の行脚が終わって体育館に戻ると、メンバーはクールダウンに入っていた。

皆の汗の量や表情を見ても、今日も過酷な練習だったことが窺える。
それなのに、練習が終わったら皆で楽しくお喋りしたり……ふざけあったり……。

皆、どこにそんな体力があるの?

でも、その輪の中に入れているのが嬉しい。
皆と一緒にいられるのが嬉しい。

ずーっと、ここにいたい……。



片付けが終わった後は、今日の報告も兼ねてミーティング。
詳細な情報は明日にして、大まかな成果を皆の前で話す。

これ、全校生徒の前で話すよりも、ずっと緊張する。

時々、質問を受けたりして会話はヒートアップ、ついついミーティングが終わるのが遅くなってしまった。

「まだ勉強始めたばかりなのにすごいな、神崎は。
バスケ覚えたてとは思えない。
目指せ、桐皇の桃井かな?」

帰り支度をしていると、どこからか、そんな声が聞こえた。

桐皇の桃井さん……凄い情報収集能力で、黄瀬くんも一目置いてるって言ってた。
どんな人なんだろう……

考えを巡らせていると突然、視界が歪んだ。

「みわっち!?」

「神崎!?」

皆の声が遠くに聞こえる。
私を、呼んでる。

「はい、どうしまし……た……か?」

意識はかろうじて保てている。
足に力が入らず、床にへたり込んでいるらしい。

目の前が暗く、でも白くチカチカして、周りに誰がいるのかを認識できない。

「みわっち、気分悪いスか? オレの声聞こえる?」

聞こえるよ……
聞こえてるよ……
言いたいのに、声が出ない……

段々と、意識が遠く、遠くなる……。




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