• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第54章 記憶


今日はさりあと違うセックスをしようと、珍しくワクワクして仕事に向かった。

決して彼女のことが好きだったり愛していたりというのはなかったが、愛のあるセックスに憧れてしまったのだ。

ドキドキする、こころが温かくなる、そんなセックスがしたい。

その日、更衣室に向かう途中の廊下で、さりあの声が聞こえた。

なんとなく声を潜めている様子があり、咄嗟に柱の陰に隠れて聞いてしまう。

そこで、オレの話をしていた。

ショックでハッキリとは覚えていないが

「太いだけでいつまでもヘタクソ」
「マグロ」
「演技するのが疲れる」
「あれじゃイケない」
「一度もイケたことないし、全部演技」
「プライドばっか高くて面倒」

とか、なんかひたすらそんな悪口をおもしろおかしく言われていたと思う。

極め付けは

「まあデカいし顔がいいから暫くヤッてあげるわ」
「元々、若くてカッコいい子を食べてみたかっただけだし!」

だった。
下品に大声で笑っていた。

衝撃だった。
足下が崩れ去っていくようだった。

勝手に人のモノを使って嬉しそうに、狂ったように喘いで腰を振っていたくせに。

淫乱女ども。

大きな原因はたったこれだけのことだったのかもしれない。

それでも、彼女達の言葉がきっかけでなんとなく感じていた違和感や嫌悪感が表面化してしまった。

その日、何食わぬ顔でさりあは更衣室にやってきた。

跨がろうとする彼女を力ずくで押さえ、初めてバックで強引に挿入し、自ら腰を振った。

「ああん! いい! いいっ……! そこ! もっと奥ぅ……!」

空々しい喘ぎ声にも、目に入ってくる汚れた尻の穴にも、ビチャビチャとオレを汚す愛液にもうんざりだった。

自分勝手に腰を振り、射精した。
征服した気分だけは味わえた。

こころは全く満たされなかった。
満たされるセックスがしたいオレとただただ快楽を求めているさりあ、噛み合うはずがなかった。

あんなのはやはり漫画の中だけの幻想だった。

この時点で、オレの中でセックスはオナニー以下になった。



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp