第54章 記憶
そしてまたある日、さりあはアナルセックスをしようと言い出した。
正直、また変な事を言い出したと思ったが響きだけには興味があった。
大人びてはいるが、オレだってまだ中学生。
未知の世界にドキドキしていると、さりあは尻の穴を愛撫しろと強要してきた。
冗談だろ。
クンニすらしたくないのに排泄をする為の穴なんか絶対に無理だ。
別に潔癖なわけでは無いが、なんでも許容できるほど緩くもない。
嫌がるとさりあは自分でローションを出し、ひとりで指を出し入れしながらクリトリスを弄り、喘いだ。
アナルセックスは色んな人とよくするし、好きだと言っていた。
それを見ているうちに、ますますその穴に自分のモノを挿れるなんて無理だと思った。
さりあは、それならゴムをすればいいとあっけらかんとした表情で言ったが、ゴムをするとかしないとかの問題じゃない。
結局、さりあの持っていたバイブをオレが尻に挿れる事で勘弁して貰った。
ローションで滑りの良くなったバイブを出し入れしていると、さりあが見た事もないような体勢で喘ぎだした。
「アン! アアン! イイ! イイよ! もっと、もっと動かして!」
そんなに、気持ちいいのか。
狂ったように喘ぐ彼女を見て、頭の中は驚くほど冷えていた。
「あっ、イイ、んぅ……うんち……おっきなうんち出してるみたいなの……! はヒィ、気持ちイィィ……」
オレとする時はこんなに気持ちよさそうにしない。
もう、ずっとオナニーしておけばいいのに、と素直に思った。
結局この日はオレは挿入しなかった。
バイブに付着した便の臭いに顔を顰め、陰鬱な気持ちで行為を終えた。