第54章 記憶
段々、彼女たちとの行為が面倒になってくる。
確かに手でするよりも膣に挿入した方が格段に気持ちはいいが、気を遣う分、オナニーより面倒臭い。
何より、あんなドロドロでベチャベチャの膣がオレを食っていると思うと、背筋が寒くなる思いだった。
それを差し引いたら、セックスってそんなにいいものか?
なんだセックスってこんなもんか、とすら思っていた。
しかし、彼女達に誘われると断る権利はほぼなかった。
扱かれれば勃起してしまうし、裸を見せられれば反応してしまうので、結局いつも彼女達を受け入れていた。
快感は感じているのに、なぜこんなに嫌悪感があるのかは、分からない。
気持ちは乗らないのに、射精はする。
別にこのヒトたちはオレじゃなくてもいいのに、なんでオレを挿れたがるんだろう。
女性達と繋がれば繋がるほど、身体とココロがバラバラになっていった。
そして段々、キスをするのも嫌になってきた。
体液というものにハッキリと嫌悪感を抱き始めていた。