第54章 記憶
ある日の撮影後、突然セックスの話になった。
「リョウタ君、したことないの?」
彼女の初体験は中学に入ってすぐと聞かされ、自分がまだ童貞なのが物凄く恥ずかしい事に感じた。
「ふふ、じゃあリョウタ君のハジメテ、貰っちゃおうかな……」
そう言って唇が重なった頃には、期待でオレの股間は爆発寸前。
「こんな所でするんスか? てかSariサン、恋人いるんじゃ……」
「エッチな事なんてね、気持ち良ければいーの。誰とどこでするかなんて二の次だよ」
誰と、という部分で多少なりともつっかかりはあったものの、未経験者が経験者に口を挟むものではないと思い、飲み込んだ。
オレをソファで待つように指示し、彼女がメイク台に腰掛けて大きく股を開く。
「女のココ、見た事ある……?」
恥ずかしげもなくショーツを見せ、細い指でクロッチ部分をなぞる。
無修正動画など見た事がない。
オレは首を横に振った。
「ふふ、見られてると感じる」
彼女は笑いながら指を撫でるように動かし、下着には、あっという間にシミが出来た。
もどかしい気持ちで見ていると、
ついに下着の隙間から割れ目を見せてくれた。
「……どう?」
正直、赤黒いソレはグロテスクだったが、糸を引いて濡れている様が、異様にエロかった。
ぱくりと口を開いて、全てを食らい尽くしてしまうような迫力すらあった。
「ここに、リョウタ君のおちんちん、挿れるんだよ」
行為自体は勿論知っているが、実際に秘部を見ながら言われると物凄く興奮した。
彼女はメイク台の上でスカートを脱ぎ、ショーツを脱ぎ、無毛の恥部を晒しながらニッコリ笑って近づいてくる。
女という生き物が、凄く生々しくいやらしいものに感じて、興奮と共に僅かな恐怖と嫌悪感を抱いた。
「勃ってる」
当たり前だ。
あんな事されて、興奮しない男がいるものか。
彼女はオレのズボンと下着だけを脱がし、慣れた手つきでコンドームを被せると、オレの上に跨った。
「ふふ、筆下ろしだね」
そう言って勢いよく腰を沈めてきた。
温かい肉に包まれるその快感は衝撃的で、1分ももたずに射精してしまった。
その後Sariがコンドームを交換し、結局その日は3回出した。
オレは、座っているだけだった。