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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第54章 記憶


初めてふたりで出掛けてから、Sariから連絡が入る事が増えた。

日中のメールだったり夜の電話だったり方法は様々だったが、なんとなくふたりの距離が縮まっている様な気がしていた。

「今日さ、もー機材トラブルで4時間も待たされたんだよ〜!」

「来月、大きい仕事貰えたんだ!」

彼女が話すのはいつも仕事に関することだった。

片手間にモデルをやっていたオレには分からないけど、真剣に取り組んでいるSariは輝いて見えた。

オレはうんうんと返してあげる事しか出来なかったが、Sariが満足するまで話を聞いてあげた。

自分がこのヒトから信頼されていて、必要とされているんだなと思っていた。




ある日、Sariは暗い声で

「恋人とケンカしちゃった」

と相談してきた。

そうか、恋人がいたのか。
確かに一度もそんな事、聞いた事なかったけど。

当たり前だよな、こんな中学生本気で相手にするわけない。

それにしても、恋人がいる女が他の男と腕組んで歩くか?
途端に、関係が崩れた気がした。

このヒトの言っている事は、どこまで信用していいのか疑問に思った。

電話の向こうでは落ち込んだ様子の彼女。
早く仲直り出来るといいっスね、とか、テキトーな事を返した気がする。

「ねえ、リョウタ君、あたし寂しいんだ」

電話口のSariの息が荒いのに気がついた。

「大丈夫っスか? Sariサン」

「そこで……聞いてて」

「?」

最初は何を言っているのか全く分からなかったが、電話口からピチャピチャという水音とSariの喘ぎ声が聞こえて来て、何をしているのかを把握した。

「あン、あ、リョウタ君、聞いてる……?」

「……聞いてるっスよ」

無意識にオレも自分のモノを扱いていた。

「あっ、あ、キモチイイ、あん……あっ、いく、いく……っ!」

「……っ」

そのまま、オレも達した。

Sariはオナニーにバイブやローターを使うのが好きらしく、その日は夜遅くまで電話口からバイブ音と喘ぎ声が聞こえていた。



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