第53章 初詣
言いたくない。
これ以上呆れられて、嫌われたくない。
「みわ」
右手はゆっくりと秘部の中を弄り、左手では先端に触れないように
乳房を刺激されている。
「あ……や……」
いつもは快感を与えてくれる指が、今日はわざと触って欲しいところを避けて刺激してくる。
触って欲しくて、欲しくて、それしか考えられなくなってしまう。
苦しくて、これなら何もされない方がマシだ。
「っあ、ない……言ってないことなんて、ないよっ……」
「みわ」
さっきから私を呼ぶ声は優しいのに、やめてくれない。
進めてもくれない。
「やめて、も……おねが、ぃ……」
みっともなく腰が動いてしまう。
熱い。中が、熱い。
どうしても我慢が出来なくて、はしたないというのが分かっていても手を陰核と乳首に伸ばしてしまう。
「だめっスよ、みわ」
両手は呆気なく涼太の左手に捕まり頭の上で拘束されてしまった。
「や、や……ぁ……」
くちゅ、くちゅと微かに響く音が苦しさを増幅させる。
「あ、ぁん……これ以上、いやなとこ、見せたくないっ……!」
「見たい。見たいんスよ。何か言われたの? 何をそんなに気にしてるの?」
「んんん……ふ、ぅ……」
「早く言って楽になろうよ」
苦しい。
離して。
許して……
言う、から、ゆるして……
「さ、さり……さんが、涼太の……は、はじめての、ひとだって……」
「……あぁ、そうっスね」
「涼太、りょうたのぜんぶ、いま……もむかし、も……わたしの、ぜんぶわたしのものにしたいの!!」
この状況があまりに辛くて、苦しくてまとまってもいない言葉をぶつけた。
「やだ、やなの、昔でも、いや……涼太の大事な思い出を共有してるの、やだぁ……」
止めていたものがどんどん溢れて、子どもみたいにボロボロと泣き出した。
「りょうた、りょうたはわたしのだもん……」
「……オトコが童貞卒業した相手なんてそれこそどうでもいいんスけど。みわの初めてのオトコならまだしも。……でも、こう思われるのは悪くないっスね」