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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第53章 初詣


「みわ、ヘイキ?」

うつ伏せになってぐったりしている私の腰を撫でながら涼太が聞いた。

「……どの口が言ってるのでしょうか……」

腰が抜けてしまいそうなほど怠い。
おまけに、泥のような眠気が迫っている。

「……ねむい……」

「みわって、イクとすぐ眠くなるっスよね」

「……涼太が……アレコレするから……」

涼太は私を抱く時、言葉通り隅から隅まで愛してくれる。

神経質な位に私が感じているかを確認して、私の反応を見てホッとしているようなところがあると思う。

もっと、自分本位になっていいのに。
したいようにして、いいのに。
気を遣ってばっかりで、楽しいのかな。

「……涼太、気持ち良くなってるの?」

「ん? モチロンなってるっスけど?」

「……そんなに、気を遣わないで」

「なんのことっスか?」

「私のことばかりじゃなくて……涼太も、ワガママになってよ」

少し躊躇ったような雰囲気のあと、ふわりと優しい手が髪を撫でた。

「……みわ、オレね、外ではちゃんと皆が求める『黄瀬涼太』になれてると思うんスよ」

「……うん、知ってる」

海常バスケ部のエースとして、モデルとして中途半端な事はしてない。
それは、側にいる私が一番良く知っているつもり。

「だから、こんなに欲張りでワガママなオレを知ってんのはみわだけなんスよ」

「……論点がずれてない?」

「ずれてない。オレのこういう欲、受け止めてくれるのが何より嬉しいんス」

頭を撫でていた手を肩に回し、そっと抱き寄せられた。

「……無理させてんのも分かってる。ごめん」

「ほら、私のことばっかり……」

いっつもそう。
私だって、もっと私だって。

「そんなんじゃないんスけど」

「……もっと、涼太は自分の事も考えてよ」

「……ん、ありがと。そんな事言うのみわだけだから、正直どうすればいいかわかんねぇんスわ」

照れたようにそう言う涼太がとても愛しい。

私の中に残る挿入の名残も、腰に残る鈍い疲れすらも、愛しかった。




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