第53章 初詣
「……みわこれ以上痩せないでよ〜オレ、ガリガリより今の方がいいっス……あー柔らかい……」
「ちょ、ちょっと!」
涼太はそう言って全身あちこちと触りまくる。
「りょ、涼太だってこれ以上痩せないでね!?」
「ん〜、確かにもう少しウエイトも身長も欲しいっスね」
「暫くはまた筋トレだね」
「あーもうまた色気がない流れ……みわ、わざとっスか?」
わ、わざとだよ……!
そういう空気にしないようにしてるの!!
「ね、ねえ7時待ち合わせなら、少しでも寝た方がよくない? 午後にはおばあちゃんちに行くし……」
「……みわは体力もないっスね」
「あ!」
涼太が私の背中を指でなぞった。
「みわ、背中弱くてカワイイ」
続けて温かい舌が追いかけてくる。
「…っ、だめ、帰ってきてからっ……」
「こんなに反応してるのに?」
じわじわと燻る火のような快感が全身に広がっていく。
「も、最近……回数が多いよう……!」
絶倫の涼太に合わせてたら、本当にいくつ身体があっても足りないよ!
「……いいじゃねぇスか……オレ……事件の時……もっともっと抱いておけばよかった、って後悔したんス。もう、あんな後悔絶対にしたくない」
その声は、明らかに震えていて。
手がするすると胸に触れる。
「ぁ、やっ……あん……っ」
「……嫌なら、そんな可愛く喘がないでよ……」
背中を愛撫されながら、指で気持ちいい所を探られる。
嫌じゃない。嫌じゃないから困ってるのに……!
「ね、どこがいいのかちゃんとオレに教えて?」
知ってるくせに。
全部、分かってるくせに。
「や、あっ、りょーたのばかー!!!」