• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第51章 おかえり


結局オレの目が覚めたのは昼過ぎだった。

先に眠りについたみわはオレの腕枕の上でまだ夢の中のようだ。

流石に喉が渇いて、小さな声で謝りながら腕を抜き、ベッドを抜けた。

「……疲れてたんスね」

じきに起きるだろうと特に気にも留めなかったが、みわはその後も一切目を覚まさず、昏々と眠り続けていた。

「……もう夜なんスけど……」

飽きずにみわの身体に触れたり寝顔を見つめたりしていたが、流石にちょっと寝過ぎだろう。

一緒に暮らしている時も、こんなに長い時間寝続けていた事はない。

長期の休みと思って気が緩んだのだろうか。

心配になって覗き込むが、呼吸や脈拍は正常のようだ。

「……みわ、そろそろ起きないスか」

ピクリともしない。
揺すっても全く起きる気配がない。

……これ、なんかおかしくないスか?

「……みわ、ねえみわ」

病院に連れて行った方がいいのか。
しかし、呼吸はきちんとしている。

でも、万が一でも何かあったら。

みわの身体は既に蒸しタオルで拭いてあったので、新しい着替えを取りに部屋へ向かう。

流石に、裸のまま病院に行くわけにはいかないだろう。

……いや、もう救急車を呼んだ方がいいのか?

でも、一見異常はない。
いびきが酷いわけでもないし、見た目は限りなく普通だ。

やはり、タクシーで病院に連れて行こう。
頭を強く打った後遺症かもしれない。

ゾッと背筋に冷たいものが走るのを感じたが、考えるのはやめて、みわの服を持って行った。

ベッドサイドに服を置いてから、財布や保険証などを取りにリビングに向かう。

悪いと思いながらみわの財布を覗くと、カード入れの部分に保険証が入っていた。

自分の財布とスマホを掴んで、急ぎ部屋に戻る。

みわはまだ起きない。

嫌な汗が背中を伝うのを感じながら、まずは自分の服を着ることにした。

昨日抱いている途中、何か異変はあったか?
今思えば、終わった後にふわふわすると言っていたのが原因ではないか?

脳に異常があったらどうしよう。

嫌な想像しか出来ない。



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp