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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第8章 マネージャー


私は酷い運動音痴だけど、体力をつけるためにランニングをしていて、良かったと思う。

朝練から始まって、授業に午後練、家事に勉強。
更にマッサージ練習……かなりハード。

「神崎、昨日ほぐしてもらったトコ、すげえ楽だわ」

朝練で、笠松先輩の報告を聞いて本当に嬉しかった。

「ただ、オマエもあんまり無理しすぎるなよ。マネになったばかりで、毎日毎日遅くまで頑張ってんだからよ」

「はい! ありがとうございます!」

「おはよう。神崎、ちゃんと寝れてる?」

「あ、小堀先輩おはようございます! 大丈夫です!」

「無理しないようにね」

「はい!」

なんか、今日はよくこんな感じで声を掛けられる。
さっき森山先輩と早川先輩にも言われたし……。

「あ、みわっち、おはよ〜!」

「黄瀬くん、朝から元気だね、おはよ!」

「なんか顔色良くないっスね? 大丈夫?」

「え、黄瀬くんまで……そんなに私、疲れた顔してるかなあ。すっごく元気なんだけどな」

「無理は良くないっスよ。今日は朝練顔出さなくても良かったんじゃないっスか?」

「ううん、平気だよ! インターハイも近いし、気合い入れて行かないと!」

午後練のあとにマッサージできる許可が出たし、午後の作業が減るように、朝のうちから色々準備しておかなきゃ!

新しい事が出来るようになるって、本当に楽しいな。

私は、毎日楽しんでいた。
だから、気づいてなかったんだ……。


「みわ、アンタ大丈夫?」

「うっ、あきまで……?」

「ん? 何が? 相当言われてるよ、熱心な黄瀬信者に」

信者……黄瀬くんのファンの事だ。
バスケ部のマネージャーも始めちゃったし……。

「まあ、仕方ないよね……それだけ黄瀬くんのこと、好きなんだろうし」

「おお、彼女の余裕か」

「う、そういうんじゃないんだけど……」

机の中に手を入れると、小さな花柄の封筒のようなものが手に当たった。

「?」

"神崎 みわ 様
お話があります。今日の昼休み、
体育館裏に来ていただけませんか?"

……。
なんか一見、素敵なラブレターだけど……。

「わー、モロに果たし状って感じね」

「やっぱりそうだよね?」

はああぁ……
バスケ部の事だけ考えていたいなあ……。

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