第50章 ウィンターカップ、その後

纏わりつく欲を引き剥がすようにみわの唇を奪う。

しかし、柔らかく官能的なみわの唇はオレの欲望を更に膨らませた。

「……してないっスよ」

……大嘘だ。
ずっと、こうするのを願っていたくせに。

みわの唇を十分に堪能する。
このキスで自分の欲を満たすために。

「っあ、き、黄瀬くん」

「……ん？　どうしたんスか？」

離したふたりの唇の間に透明な糸が引く。

「続き、して」

「え……？」

「私……ちゃんとどういうものか、分かってるよ」

みわは部屋着の上からオレの下半身に触れた。

それはもう、限界まで膨張している。

「っ……ちょっ、オレは、みわに無理させるつもりなんてねぇんス」

「私、無理なんて」

みわは以前、オレの指1本すら体内に入るのを恐れていた。
今の彼女なら、恐怖はさらに大きなものだろう。

「……じゃあ、みわん中にオレの指、入れていいんスか？」

自分でも意地の悪い事を言っているのは十分に分かっている。
こう言えば諦めざるを得ないと知っているから。

なのに、みわの口からは

「いいよ……」

という言葉が漏れた。

オレは驚きを隠せない。
絶対無理だってわかってるのになんでそんな事言うんスか。

自分でも、身体が拒否しなきゃ分かんねーんスか？

「……じゃあ、入れる……っスよ」

嫌がる事はしたくないのに。
怖がらせたくないのに。

2度イッてグショグショになっている秘部に指を1本添えると、みわの身体がビクリと震える。

オレの指を受け入れるのが初めてではないこの蜜壺は、するりと指を呑み込んだ。

「あっ……！」

熱い。それに……狭い。
入ってきた異物を絡め取るように肉壁がぐにゅぐにゅと蠢く。

「あっ、や……ぬ、抜いてっ……！」

ほら。

オレはすぐに指を引き抜いた。
ぬるぬるの愛液は糸を引き、指にべったりと纏わり付いた。

「あっ……はぁ、はぁ」

「怖い？」

みわの瞳は左右に揺れ、明らかに動揺している。

なのに口を開いて出た言葉はオレの予想とは外れていた。

「怖く……ない。……びっくりしただけ」

「無理しなくていいんスよ。言ったでしょ、怖かったら言ってって」