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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第50章 ウィンターカップ、その後


「みわもしかして、昨日眠れてない? クマ出来てる」

「えっ」

くすみひとつない顔をした彼にそう言われて、顔から火が出そうなほど恥ずかしい。

「あの、昨日はちゃんと寝れたよ。……最近寝不足だったから」

昨日は、体温を感じながらよく眠れた。

でも、ここ何ヶ月かはおばあちゃんの家で浅い睡眠しか取れていなかった。

更に、ウィンターカップに向けての情報収集や学業などが重なって、睡眠時間を削っていたからだろうか。

恥ずかしい……クマ、消さなきゃ……。

「やっとゆっくり出来るんだし、今日は1日たっぷり寝たらどうスか?」

優しい声が耳に沁み渡り、まるで子守唄のように作用する。

でも、寝付きの悪くなった身体はそう簡単に深い眠りには落ちてくれない。

「ん、だいじょうぶ」

「オレが寝かせてあげようか?」

「え?」

黄瀬くんが突然不思議な事を言い出す。

「どうやって?」

それこそ子守唄、とか?
マッサージ、とか?

「みわ……優しくチューすると寝ちゃってたっスけど」

「や、優しくチュー?」

「うん、こんな風にさ」

柔らかい唇の感触。
黄瀬くんは身体を起こすと、上半身を私の胸に重ねた。

「ん!?」

黄瀬くんの重みを感じる……彼も眠いからか寝起きだからか、身体が温かい。

包み込まれるように支えられて優しく動く唇が……唇をなぞって……

唇の合間から優しく舌が差し込まれて……

く、くちびる、が

した、が

え、え、え、これで眠くなるとか無理でしょ?!

「ん、あ……」

気持ち良くて、気持ち良すぎて思わず身体を捩ってしまう。
身体が、身体の芯が熱くなる。

彼の熱が、私にうつったみたいに。

身体がヘン……背筋がゾクゾクして、下半身がジンジン疼いたように熱を持っているのが分かる。

絡まった指に力を入れて、ギュッと手を握ってしまった。

ふと、唇が離れる。

「はあ……っ、ぁ」

「アレ、みわ……逆効果?」

「む、むり。目、覚めた」

「ごめん……そっか、あの時はみわなりに、オレとのキスに慣れてくれてたんスねえ」

なんだか嬉しそうに微笑んだ。
その優しい笑顔はとても魅力的で。

「……もっかい、キスしていい?」

もはや断る理由もなく、唇を受け入れた。




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