第50章 ウィンターカップ、その後
季節は早くも冬、12月。
みわの記憶にも、ふたりの関係にも進展はなく、ひたすらウィンターカップに向けて全力投球していた。
普通のコイビト同士にはクリスマスという一大イベントが待っているのだが、今年のウィンターカップは12月23日に開幕、年末近くまで試合がビッシリだ。
みわとは一応、ウィンターカップ後に一緒に過ごす約束をしている。
今はバスケの事を考えるだけだ。
……といって大会直前に補習になってはたまらないので、テスト勉強はしたっスよ。
おかげで、バッチリの結果だった。
(毎度の事だけれど、補習に引っかからない、
というレベルでのバッチリである)
みわは相変わらず、首席をキープしている。
驚く事に、ほぼ満点だ。
一体いつ勉強して、いつ寝ているのか。
本人はいたって普通にしてるけど……。
みわとのスキンシップは今のところ手を繋いで帰るくらいで、キスはハロウィンパーティー以降、していない。
別に願掛けとかってわけじゃねぇスけど……落ち着いてから、ゆっくりしたいっつーか。
……それと、最近やたらと空き時間に3年のセンパイといる事が多い気がしないっスか?
特に小堀センパイとは、昼休みとかにも何かを話したりしているし。
なんなんスか?
でも小堀センパイに関しては、みわの記憶がなくなる前に嫉妬して無理矢理抱いた前科があるので少し大人しく見守っていることにする……。
ウィンターカップの前週には、みわのケガも完治という事で医師からお墨付きを貰ったそうだ。
これで、一層ウィンターカップに集中できる。