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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第50章 ウィンターカップ、その後


日々というのは本当にあっという間に過ぎ去るもので、いよいよウィンターカップ開催。

終えてみれば、
1回戦の対平石は114-67、
2回戦の対高良第一は106-72、
3回戦の対成実学園は109-81、
準々決勝の対福田総合は75-72
準決勝は対誠凛、80-81

3位決定戦の対秀徳は54-96という結果となり、我が海常高校は順調に勝ち進んでいったが、準決勝で誠凛に敗れ、3位決定戦で秀徳に敗れたため、4位となった。


優勝は、洛山を下した誠凛。

悔しい思いで胸いっぱいだけど、選手は皆持てる力を振り絞って戦った。

黄瀬くんのオーバーワークを止められなかったのは、私にも責任がある。

でも、今それを嘆いても仕方がない。
来年へ向けて、また磨くんだ。

3年生はこの試合をもって引退。
引退式の後は、受験生として受験勉強に励む日々だという。

今日から冬休みに入り、年明けからは新チームでの練習が始まる。

黄瀬くんはまた暫く通院・安静生活。

カレンダーを見ると、1年が終わろうとしていた。


「……黄瀬くん、足……大丈夫?」

「今日はオレ試合出てねぇっスから……」

自嘲的な笑みを浮かべて、涼太はそう吐き捨てた。

口数が少ない帰り道。
全国4位と胸を張れる成績ではあるけど、やっぱり手放しで喜べるものではない。

悔しい。

でも、もう散々泣いた。
今はもう、前を向かなくては。

食事はメンバーの皆と済ませてきた。

夜はそのまま黄瀬くんの家にお邪魔して、お互いシャワーを浴び、すぐベッドに入る。

今は彼の隣に居てあげたい。
全力でバスケに打ち込み、傷付きながら敗れたエースの側に。

キスすらせず、強く抱きしめ合った。
久々の彼の体温に、胸が高鳴る。

インターハイの時みたい……とふと思い出し、微睡みながらまた記憶が少し戻った事に安堵した。



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