第49章 ハロウィン
「「「王様だーれだ!」」」
笠松センパイと中村センパイがコサックダンスを踊らされたり、小堀センパイと笠松センパイが意外な趣味を暴露したり……。
命令は健全なものに限られてたから、和やかな雰囲気でゲームは進んだ。
まだ女性陣は幸いにも?
当たっていない。
みわ、ヘンなのに当たらないといいんスけど……。
そして何度目かの「王様だーれだ!」
「遂に来た……俺の天下が!」
森山センパイが『王様』と書かれた割り箸を高々と掲げて喜んでいる。
嫌な予感しかしない。
静まり返る室内。
「今から言う番号の人は……王様のほっぺにキスをする!!」
「「「「「ええぇえぇぇえ!!」」」」」
比率の高い男性陣から非難の声があがる。
健全はどうしたんスか、健全は!
「番号は…………7番!」
まさしくオレの手の中にある割り箸の番号だった。
「ええええオレっスか!?」
「ちっ、黄瀬か」
残念がる森山センパイを、皆が笑って囲む。
手には携帯。写真に収める気である。
「じゃ、じゃあいくっスよ、森山センパイ」
「お、おう」
謎の空気に包まれたまま、ヤローがヤローのほっぺにチューするという痴態を晒した。
「お、お前間近で見ると綺麗なカオしてんな……」
「センパイ、オレそっちの趣味ないっスからね!?」
また笑いが起こる。
あー、みわにならなくて良かった。
「よしもっかい行くぞー! 王様だーれだ!」
「あ、俺だ」
小堀センパイがきょとんとした顔で割り箸を見つめる。
「んー……じゃあ、2番が6番を膝枕する」
室内がどよめく。
まさか人畜無害な様相の小堀センパイがこんな事を言い出すなんて微塵も予想していなかった。
王様を外しているあたりが小堀センパイらしいというか。
あれ?
オレ何番だった?
手にした割り箸に書かれていたのは『6』。
これは、2番がみわなら完璧な流れ……!
「あ、2番あたしー」
手を挙げたのはイズセンパイだった。
「黄瀬、お前……代われ!」
「黄瀬! ず(る)いぞ!」
森山センパイや早川センパイの悔しそうな声が背中から聞こえる。
……いや、すげー代わって欲しいんスけど、今それをここで言ったら、イズセンパイに失礼だ。