第49章 ハロウィン
森山先輩の鶴の一声で、黄瀬くんの家でハロウィンパーティーが開催されることになった。
メンバーは私と黄瀬くん以外には、笠松先輩・小堀先輩・森山先輩・早川先輩・中村先輩・3年女子マネのイズ先輩だ。
マネのイズ先輩は、なんで「イズ」なのか由来が分からないのだけれど、中学からのあだ名らしいので、皆も私もそう呼んでいた。
男性陣は食料調達、私達女子は横浜のド◯キで仮装衣装の調達を頼まれた。
駅に向かう途中にあきに会うと、是非衣装を選ぶのを手伝わせて欲しいというので、一緒に行くことに。
イズ先輩はあきと気が合うみたいで、ふたりで盛り上がって、買い物カゴはあっという間に衣装でいっぱいになった。
時季外れの特価だったから、お財布にも優しい。
私はよく分からないので、ついて行っただけになってしまったけど。
誘ったけれどもあきはパーティーに出るつもりはないらしく、帰ってしまった。
イズ先輩とふたりで歩く道。
影が少しずつ伸びていく。
「みわちゃん、身体はどう?」
「あ……ご迷惑をお掛けしててすみません。年内には完治する予定なのですが……」
「無理しないようにね。荷物、重くない?」
「軽いので大丈夫です。ありがとうございます!」
黄瀬くんの家に着くと、男性陣は既に買い物を終え、テーブルにあれやこれやと並べている。
「おっ、美女ふたりのお帰り! 早速着替えようぜ!」
衣装が入った袋を森山先輩が受け取ろうとしたが、イズ先輩はさっと避ける。
「これ、誰がどれ着るか決まってるから!」
先輩はひとりひとりに衣装を渡していく。
「私たちは洗面所で着替えようか。はいこれ、みわちゃんのね」
私のも……そうか、当然あるよね。
「あ、ありがとうございます!」
「黄瀬くん、洗面所借りるよ〜」
「オッケーっス!」
イズ先輩は小柄なのにスタイルが良くて胸も大きいし、すごく可愛い。
先輩は小悪魔の衣装を着ている。
「わあ、イズ先輩……! 可愛いです……!!」
「ほんとー? ありがとー!」
いいな……私は背も高いし胸もそんなにない……
「みわちゃん、上手く着れそう?」
袋から出した衣装を見て、思わず先輩に聞き返す。
「え……これ、本当に私が着るんですか?」
イズ先輩はニコニコしていた。