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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第8章 マネージャー


その日の放課後、いよいよバスケ部のマネージャー希望として、体育館に足を踏み入れた。

監督とは事前にお話を済ませておいたからか、すんなりと話が進んでいく。

ファンの群れから起こるブーイングのような悲鳴をバックに、笠松先輩が、私を皆に紹介してくれた。

「今日からマネージャーとしてうちの部に入部する、神崎 みわさんだ」

「よ、よろしくお願いいたします」

先輩方には、一応先に部室で軽くご挨拶をさせて貰った。
まだ全員揃っていないみたいだから、後で挨拶回りしないと……。

マネージャーは今、3年生が1人という状態らしく、とにかく人手が欲しかったそうで。
やっぱり強豪校のマネージャーは大変みたい。
先輩マネージャーから色々教わらなきゃ。

「4月から、沢山マネージャー希望者が来たのよ? 黄瀬目当ての。でも皆、辞めちゃって。最長でも2日だったかな……」

2日!?
それだけ過酷ってことだよね……私、大丈夫かな……

「私も受験があるから、いつまで続けるか迷ってるの。1年生の貴女に頑張ってもらえるなら、助かるな」

「が、がんばります!」

マネージャーは、本当に忙しかった。
大体が雑用だけど、やってもやっても終わらない。

でも、バスケ部の皆と一緒に居られるのが楽しかった。

黄瀬くんともいつも一緒だ。

黄瀬くんは、私の部屋でのキスの時のような雰囲気は一切なく、いつもの彼だった。

先輩方と仲良く楽しそうにしてる姿、1番好きかも。ちょっと蹴り入れられたり。

こっそり覗いて楽しんでる私、変態か。

……毎日が、充実していた。



そして、少しでも皆の役に立ちたいと思って、私はスポーツマッサージの勉強も始めた。

「……おー、神崎、お疲れ」

「お疲れさまです! あの笠松先輩、ちょっとご相談があるのですが……」

「おう、なんだ?」

「あの、私スポーツマッサージの勉強を始めていて……」

「へえ、すげえじゃん」

「部員の方々の、役に立たないかと思ってるんですが……やっぱり、素人が下手にやるのはどうかなって思って、なかなか気軽にやりますとは言えなくて……」

「……確かにそうだな。黄瀬が尻尾振って喜ぶんじゃねえかと言いたい所だがあれでも一応エースだしな……俺が練習台になるか」

「い、いいんですか……? ありがとうございます!」

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