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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第8章 マネージャー


翌日、黄瀬くんが何気なく漏らした一言で、教室中が大変なことになってしまった。

「みわっち、さっきの授業でここ、分からなかったんスけど……」

「……分からなかった、っていうよりも……寝てたよね?」

「うっ! みわっち、授業中オレのこと、そんなに見てくれてるんスか? さすが彼女っスね!」

「え、ちょ、あの……」

きゃー!?
うそでしょーー!?
☆◎△〆≦(もはや何言ってるのか不明)
と、教室中が阿鼻叫喚。

黄瀬くんはそんな大きな声で言ったわけではないのに、女子達は大騒ぎ。
悲鳴をあげる子に、早速隅に集まって何か悪口を言っている子たち。

あの、これ、面倒な感じの、でしょうか……?

懸念通り、帰る頃には下駄箱から靴がなくなっていた。

明日、バスケ部のマネージャーのことで体育館に行こうと思ってたのに……大丈夫かな。
さ、先が思いやられる……。



翌日、紛失対策に靴は袋に入れてロッカーにしまっておこうと思って、早めに登校したのだけれど……

「しまった……」

今度は上履きがなかった。
そうだよね。そうですよね。そうなりますよね。
ここまで予想してなかった。ばかだ。

昨日は横のゴミ箱に捨てられてるだけだったけど、今日は見つからない。
どうしよう、もう時間があまりないのに……

「ねえ、これ」

声をかけられて。振り向くと女生徒の姿。
クラスで見たことのある顔。
手に持っているのは……私の上履きだ。

「あ、ありがとう……!」

「……あき、でいいよ。マトモに話したことなかったよね。よろしく」

ちょっととっつきにくそうな、でもとっても綺麗な子だ。

「わ、私も、みわって呼んで! こちらこそ、よろしく!」

「あんたさ、ほんとに黄瀬と付き合ってんの?」

「あと……まあ、一応……」

「ヒェー、大変そうだね」

うん、なんかすごく大変そう。
だけど、それがきっかけで、あきとお友達になれた。

嫌がらせは困るけれど、女の子の友達が出来たのは嬉しいな。

「しかし、ただのマジメちゃんかと思ったら、あんた結構強いね。嫌がらせされても平然としてるし」

べ、別に平然としてる訳じゃないんだけどな……

「私のせいで他の人に迷惑かかるより、マシかなって……」

「へえ、あたし結構好きなんだわ、そういう強い女」

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