• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第47章 距離


「やめ、やめて、もうやめて! ごめんなさい! 許して、やめて!!」

直ぐに、生温かい感覚が広がる。
……射精された感覚。

じわりと浸み出した精液が裂傷にしみて、更に激痛になる。

"一晩中かわいがってやるよ"

「ひぃ……もう、いや……」

殺されるのを覚悟して、凶器のような肉棒が抜けた瞬間に全身を使ってヤツを振り払って、走った。

とにかく、無我夢中で走った。
どこを走っているか分からない。

助けて! 誰か!

走った。足がもつれて転んで、顔を打って、それでも走った。

気がついたら、お風呂場にいた。

鍵をかけると湯船の湯気にふと安心し、座り込んだ途端……失禁してしまっていた。

「はぁっ……はぁ……」


「……みわ? ばあちゃんだよ、わかる?」

おばあちゃんの声。
……あれ……ここ、おばあちゃんの家だ。

今の、今のは

今のは、なに?

「……おばあちゃん……」

「ごめんね、みわ。ばあちゃん、配慮が足りなくて。今日は、ばあちゃんと寝ようか」

今、私……どうしたんだっけ。
なに、何が起きたんだっけ。

……またあの時の……フラッシュバック……!?
こんな、鮮明に?

最近は……夢でしか見なかったのに……感触まで、痛みまでハッキリと。

アイツの声まで……

「う」

突然吐き気を催す。
トイレまで間に合わない。

「ウ……ッ」

堪らず、洗面器に嘔吐した。

「げほ、げほッ……う……あ」

「みわ、大丈夫!? 鍵を開けて!」

立ち込める尿と嘔吐物の臭いで更に吐いた。

「……ごめんなさい……」

「出ておいで、みわ」

「……汚しちゃった」

お風呂場でまだ良かった。
床と衣服が尿で汚れてしまっている。

浴槽のお湯を汲み、汚れた床を流す。

張り付いた下着とパジャマを脱いで、水で洗い流した。

下を向いた瞬間に、鼻水が口に流れ込んできて、いつの間にか涙を流していた事に気づく。

胸が痛い。

頭が痛い。

なんという惨めな気持ちか。



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp