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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第47章 距離


「久しぶりね、みわとご飯食べるのは」

「うん、なかなか顔出さなくてごめんね」

おばあちゃんとキッチンに並ぶ。
なんだか本当に久しぶりだ。

私は既に出来上がっている料理を器に盛り、テーブルに置いていく。

「黄瀬さんも誘えば良かったわねえ。引き止めてくれれば良かったのに」

「あ、うん……そうだね……」



黄瀬くん。




『オレと……付き合って下さい』

うわ、うわ、うわわわ、思い出したら、なんかすっごく恥ずかしい……!!

私、なんてお返事した?
ちゃんと、ハイって言ったよね?
もう、突然のことすぎて頭真っ白で……間違った選択はしていない、と思う……、けれども……。

だって、あんなキレイな目で
真っ直ぐ見つめられて……

嬉しい。
私が、誰かに必要とされるなんて。

あんなにキラキラ眩しい黄瀬くんがどうして私なんかと、というのはやっぱり考えてしまうけれど……。

私は私らしくいて、いいのかな。
彼の前にいた私は、どんな女の子だった?

でも、キスとか、普通に……した。
思い出すだけで、顔が爆発しそう。

世の恋人同士はこういう感じなの?
おまけに、さっきあの指が……

ぎゃあああ!

だめだ。頭まで爆発する。
他のことを考えよう。

「なんかいい事があったのかしら? ニコニコしてる」

「ううん……なななななんでもない!」

慌てて緩んだ口元を引き締める。
これじゃただの変態だよ……。

「……素敵なひとが見つかって、良かったわ。ばあちゃん、ちょっと安心した」

おばあちゃんはこちらに背を向けて目元を拭っているようだった。

……心配かけて、ごめんなさい。





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