第46章 自宅
黄瀬くんの指がまた秘裂を伝う。
細かく動かしながら触られて、快感を感じてしまう。
「ゃ……あ」
くちゅっと、聞いたことのない音がした。
「ここがね、とろとろになってて……オレが入りやすいようになってるんス」
オレが……
入るって……
「ねっとりと絡みついて、信じらんねーくらい気持ちいいんスよ」
「そ、なの……?」
靄のかかった頭では、上手く考えが纏まらない。
優しく表面を弄ぶ指に反応して、また少し太腿を濡らした。
「やだ、下まで染みちゃったらどうしよう……」
「このシーツ、防水シーツだから大丈夫っスよ。後で簡単に洗えるから」
「え」
防水シーツって……おねしょシーツみたいなものだよね?
そんなの使ってるなんて、珍しい……
「毎回みわが気にしちゃうから、新調したんスよ。これなら気にせず出来るなって」
毎回?
気にせず?
「出来るって……なにを?」
「なにって、セック」
「わーわー待って、生々しい!」
オレが入るって……そういうこと!?
ほ、本当にそういう関係だったの……!?
黄瀬くんはまたくつくつと堪えながら笑っている。
「みわの怪我が治ったら、またいっぱいイかせてあげるから」
耳元でそう囁かれて、意味はよく分からなかったけど、その淫靡な響きに下半身がまたじゅんと疼いた。
私が知っているのは……悲しいけど、「今」の私が知っている男は、アイツしかいない。
性的な情報には嫌悪感を抱いてしまって、敢えて触れることを避けてきたから、多分普通の女子高生よりも疎いんだと思う。
「黄瀬くん、ハッキリさせておきたい事があるんだけど……」
「なんスか?」
「……その、黄瀬くんは、あの……何が良くて私と付き合ってるの?」
考えられるとしたら、身体の相性……とかそういうことしか思い浮かばない。
「前も聞かれたっスね、それ」
「……ごめんなさい、覚えてなくて」
だって私、本当にズバ抜けた才能があるわけじゃないんだもの。
物語で言ったら間違いなく脇役。
序盤で死ぬタイプ。
「何が……っスか。うーん……神崎みわっていう存在全部、なんスけど、それじゃ納得して貰えそうにないから……真っ直ぐなところ?」
「……へ?」
思わず間の抜けた返事をしてしまった。