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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第46章 自宅


黄瀬くんは困った顔をしてる。
そうだよね、そんな事突然言われても……

「嫌なわけ、ないじゃないスか。ほんとに男の事分かってねーんスね」

自棄になったようなその言葉の後、私の顎を持ち上げると、顔が近づいてくる。

「ん……」

強い語気とは裏腹な、柔らかいキス。
生き物みたいに絡んでくる舌に応えようと、分からないなりに舌を動かすとピチャリと恥ずかしい音が響く。

「っは……っ」

あ、また……気持ちいい。
足元がふわふわしていくような。

それでいて、お腹の奥が疼くような……

「ずっと……こうしたかった」

頭をしっかり支えられて、逃げられない。
黄瀬くんの舌が口の中を動くたびに、身体の自由を奪われる。

「はっ……ん……」

口中が、2人の唾液で満たされる。
舌で擦られて……甘くて、もっと……欲しくなる。

「みわ」

「……んんっ」

名前を呼ぶ声が熱を帯びていて思わず身体が大きく反応してしまう。

「……かわいい……気持ちい?」

足と足が、気付けば絡んでいる。
腰を擦り寄せてしまっている。
私は、腕を黄瀬くんの背中に回して、自ら身体を密着させていた。

熱い肌と肌が重なり合う、感触。

「んんぁっ……ふ、ぁ」

気持ちいい。
気持ちいい。
ひたすら快楽に身を任せた。



「……あっ……」

唇が離れる。
離れてしまう。

ずっと……ずっとこうしていたい……

「みわ、もうおしまい。帰ろ?」

そう言って抱きしめてくれた黄瀬くんの顔は見えない。

あったかい……安心する。
怖くない。こんなこと、あり得ないのに。

この胸の中、この体温、やっぱり私知ってる。

「……送るから」

少し熱が篭った声。

「……や……」

「みわ?」

「……離れたく、ない」

何言ってるの。
こんなの、困らせるだけだ。

「……ダメっスよ」

でも、分かる。

「や……!」

なんでだか分からないけど、分かる。
このひとは、私の大切なひとだ。

「……みわ、今の状態でこれ以上こうするのはダメ。傷口が開いたら、どーするんスか」

「……また縫って貰う……」

「違うでしょ。1日も早く治して、また一緒に過ごせばいいだけじゃないっスか」

子どもを諭すような口調。
黄瀬くんの言う通りだ。

「……ごめんなさい」

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