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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第46章 自宅


「みわ、オレたちはね、恋人同士として……本当に、こころから愛し合ってたんスよ」

みわの味わった痛みと恐怖がどれだけ彼女を蝕んでいたのか。

涙が滲んでくるのを止められない。
辛うじて、流れ出るのを止めてはいるが。

男なのにとか、泣き虫だとか、何を言われても出てくるものは出てくる。

のし掛かる現実に押し潰される。
オレたちの絆ってなんだったんだ。

なんで、こんなことになったんだ。

「愛……」

「オレたちがしていたのは……お互いを愛し合う事だから。こんな一方的なものとは違う」

「……あいし、あう……」

「……オレはみわのケガが治ってこころの準備が出来るまで、オレはそういう事をするつもりはないから」

「……よく……わかんない……」

「ちゃんとゆっくり教えてあげるっスよ。気持ち良く、してあげる」

「……気持ち、いいの……?」

腕の中の彼女を思い出す。

「みわが演技してたんじゃなければ、気持ちよさそうにしてくれてたっスけどね」

みわの頬に触れると、ぴくりと身体を反応させた。

「痛く……ない? 血が、出たりとか……」

「初めてみわを抱いた時には、痛がらせちゃって、血も出たけど……でも、最初だけだから……今はもう平気なハズっスよ」

「私のはじめて……黄瀬くんなんだ」

シャツをきゅっと握って、驚いたような表情。

「ごめんね。こんな男で」

「ううん、そうじゃなくて。ちゃんと、好きな人とできたんだって、安心しただけ……」

みわは心の傷が全く癒えてない状態だ。
こんなにも不安定で危険だったのか。

改めてヤツに対する怒りが込み上げてきた。

「……みわ、抱きしめていい?」

小さくなって震えている彼女が、チラリとオレを見てから小さく頷いた。

優しく、包むように抱きしめる。

「私、勘違いしてこんなことして……恥ずかしい」

「恥ずかしくないっスよ。ごめんね、みわが追い詰められてるのに気付いてあげられなくて」

「黄瀬くん、私……忘れられるの、かな」

「すぐには、難しいっスかね……」

「……怖い。自分がどうなってしまうのか分からない……」

助けてあげたい。
オレが守ってあげたい。

こんな風に思うの、みわだけだから。


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