第46章 自宅
なんとか快楽に抗い、みわを押し退けようと肩に手をかけると、彼女は唾液をペニスに沢山塗りつけて口を離した。
「みわ……?」
どうしたのか問おうとしたその時……みわが後ろを向き、双丘を手で拡げ突き出してきた。
「……どうぞ……好きなだけ、突いて……」
「……!」
ここにきて初めて、みわの真意に気付いた。
みわは、ヤツと同様にオレにも犯されていたのだと思っている。
その為に一緒にいたのだと。
今の彼女の中の「男」は、ヤツしかいないんだ。
今のみわは、オレとの……いや、「恋人」との触れ合い方を知らない。
だから、きっと彼女の記憶にある……ヤツとの作法で、アナルセックスを促しているのだ。
ゾッとした。
こうして、毎夜犯されていたのか。
オレが目にした映像は、初期のものだったんだ。
まるで自分が犯されるのを望んでいるかのような事をさせられて。
カッと頭が熱くなるのを感じる。
上着を脱ぎ、みわに被せると、彼女の身体が大きく震えた。
「……何、やってんスか……オレたちは、そんなんじゃない」
みわの全身はガクガクと震えている。
「……や、怒らないで……っ! ごめんなさい……!」
「……みわ?」
みわの怯え方は尋常じゃない。
歯の根が合わず、カチカチと鳴っている。
両腕を掴んで蹲り震える姿はずっとずっと、小さく見えた。
「ごめんなさい……殴らないで……ちゃんとします……ごめんなさい、ごめんなさい」
泣きながら懇願する、その姿。
オレは、今起きた事がショックで、何を言うことも出来ずにいた。
身体に触れられる事すらこれほどまでに恐怖を感じるみわが暴力に怯え、殴られる前に身体を差し出す。
自分で服を脱ぎ、挿入の痛みを少しでも和らげるように男の肉棒を唾液で覆い、自ら菊座を拡げて挿入を促す。
目の前で行われたその一連の流れがあまりにも手馴れており、刷り込まれて来たのだというのが分かる。
「……みわ」
「はい……」
「オレは暴力を振るったりしない。顔、上げて」
「……はい」
目の前にいるのは今のみわではなく、オレの知っているよりずっと前のみわだ。