• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第46章 自宅


はあ。
重い重いため息をひとつ。
部屋に入るなりベッドへ身を委ねる。

事件があってからベッドに入るのは初めてだ。

ふたりで過ごしたベッドに入るのが辛くて、ずっとリビングのソファで寝ていた。

みわ……。

……やはり連れてくるのは早かっただろうか。
つい今まで通りの時間が欲しくて、奇跡を期待して、焦ってしまっている。

やはり彼女と一緒にいると自分の欲を抑えられない。

こんなに愛している女が目の前にいて我慢できる男って、どのくらいいるのか。

枕に顔を押し付けると、ほんのりと彼女の残り香がしてまた不覚にも興奮してしまう。

みわ。
みわ。

シーツを掻き乱し、みわを抱いた時の夢想に耽る。

「はぁ……」

みわに触れたい。
みわ……。

『涼太!』

いつでも浮かぶあの顔。
オレを呼び、オレを求めるあの表情。

気がつけばオレは、暫く甘い妄想に囚われてしまっていた。




コン、コンと響く控えめなノックの音で、現実に引き戻されるかのように身体を起こす。

みわとの行為を思い出していた下半身は、更に勃起してしまっていた。
クールダウンはどうした。

軽く布団をかけて目立たぬようにして、ドアの向こうのみわに返事をする。

「入っていいっスよ」

「……失礼します」

そう言ってみわは部屋に入ってきた。

「……わ、大きいベッド」

「家ん中見て回れた? どうだった?」

「うん……私がここに住んでたんだっていうのがなんとなく、分かったよ……。向かい側が私の部屋だよね?」

「うん、そう。荷物、あるっスよね」

「……黄瀬くん、ちょっと来て貰って、いいかな」

なんだか少し元気がない。
緊張しているのか……?

でも……

「あー、もしここで済むなら、ここの部屋で聞いてもいいスか?」

無理なのだ。今立ったら、テント張ってるのがバレる。

「あ、うん……分かった」

覚悟を決めたような、硬い声色。

みわは後ろ手にドアを閉めて、突然服を脱ぎだした。



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp