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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第45章 欠落


オレは秘裂を掻き分け、強引に指を突っ込んだ。ぬるりと湿っていた。

「あんっ、急にぃ、でも涼君、ひどくしていいよ……ナマで入れてぇ……涼君のザーメンでいっぱいにしてぇ」

何も感じなかった。
女の言葉は、何も響かなかった。
どうでもよかった。

なのに、女に肉棒を突き刺そうとした時、みわの泣き顔が目に浮かんだ。

「……ごめんオレ、帰る」

裸で大股開きになっている女を放置しシャツを整え、財布から金を出した。

「ええ!? ちょっと涼君! ここまできてソレ?!」

「金出すから、これで泊まって。悪いけど他のヤツでも呼んで」

「ええー、面倒臭いな……涼君のソレ、久しぶりに味わいたかったのになあ」

「……もう連絡してこないで」

それだけ告げて、ホテルを出た。
連絡先は削除した。






何やってるんだ、オレは。

家に着くと、何もせずベッドへ寝転んだ。

最低だ。

他の女を抱こうとした。
それも、特に意味もなく。

誰でも良かった。なんでも良かった。
どうでも良かった。何も考えたくなかった。

それなのに触れた途端、身体が拒絶した。
みわしか抱きたくないと、脳が拒絶した。

「……マジで、最悪だな」

呟きは虚空へと消えていく。

以前、みわがオレのTシャツで自慰をしていたのを思い出した。

ふらふらと彼女の部屋に入り、クローゼットからシャツを1枚取り出す。

再び部屋へ戻ると、深く息を吸い込んだ。
みわの香り。

今迄自慰は、スマホやPCでAVを観ながら作業としてこなしていた。

でも、今日は違う。
目を閉じると、みわの裸体が目の前に浮かんだ。

オレの手で反応する身体。
可愛い顔で最高に色っぽく喘いで。

好きだ好きだと泣いていた時もあったっけ。

オレを包み込む中の感触。
イッた時の顔。

愛しい、みわ。

下半身に手をやると、既に硬くなっていた。

「みわ、みわ……」

声を出して自慰などした事はない。
視覚的に興奮すれば勝手に勃起するし、溜まっているものを出せれば問題ないから。

「……みわっ……うっ」

今日オレはみわを想いながら激しく扱き、声を上げ、達した。

気付けば、嗚咽を漏らしながらまた泣いていた。

虚しかった。


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