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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第45章 欠落


病院からの帰り道。
オレは、やり場のない気持ちを抱えていた。

携帯が着信を知らせる。
見ると、全く思い出せない女の名前。

『もしもし涼君? 元気してたあ?』

誰っスか、アンタ。

「……あーうん、まあ」

『えーやだ元気ないじゃん! 元気ないならさ、涼君、エッチしよう?』

昔関係があった女か。
顔すら全く思い出せないが。

「慰めてくれんの?」

自棄だった。





制服ではさすがにまずいからと、着替えて待ち合わせ場所に着くと、派手な化粧の女が嬉しそうに手を振っていた。

顔を見ても殆ど思い出せなかったが、多分モデルなんだと思う。

オレが以前セックスしたことのある女はモデルだけだ。
まあ、それもどうでもいい。

「涼君、久しぶりだね。なんか疲れてる? いっぱい癒してあげるからね!」

女はそう言って、早速ラブホテルへと入り、きゃあきゃあ言いながら部屋を選び、嬉しそうに部屋へ入った。

「涼君……キス、して?」

グロスでヌラヌラと光った唇をこちらに向け、キスをねだる女。

「いいだろそんなの」

とても唇を重ねる気にはならず押し退けた。

「やーん、ちょっとクールな涼君もいい! ……今日は強引に、してもいいよ?」

女は自ら全裸になり、オレのシャツにも手をかけた。

「わあ涼君、筋肉ついたねえ! ますますカッコいい!」

オレは女の胸を揉み、秘部に手を伸ばす。

「やあん! ……立ったままじゃいや……ベッド、行こう?」

………

違う。

「……違う」

「涼君、どうしたの?」

オレが踵を返して出口に向かおうとすると女が駆け寄り、背後から抱きつかれる。
手はオレの股間をまさぐっていた。

「……涼君、何か嫌な事があったんでしょ? 聞くよ? アタシ……」

「ごめん。自棄になってた。オレ、彼女いるから」

「だから何? アタシだってカレシいるよ? その彼女とうまくいってないんでしょ? ……今だけは、忘れようよ」

忘れる。
みわ……どうして……

考えたくない。

"忘れよう"この言葉が引き金になって、オレは無言でベッドに裸の女を組み敷いた。

「ふふ、涼君……硬くなってきた。アタシを彼女だと思って抱いて、朝までメチャクチャにしていいよ? いっぱい中に出していいから……慰めてあげる」



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