• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第7章 キス


静かな室内。
雨音だけが断続的に耳に届く。

唇の重なっている部分が熱すぎて、溶けてしまいそう。

絶え間なく、啄むように動く黄瀬くんの唇に溶かされて、食べられてしまうんじゃないか。

力強い腕。
いつもなんでも出来てしまう黄瀬くんの余裕のないキスに、彼を独占しているような、優越感にも似た感覚が沸き起こる。

どれくらい唇を合わせていただろう。
息が苦しくなってきて、黄瀬くんの胸元をたたく。

「……っはっ……ちょっ、いき、できな……」

黄瀬くんは唇を離して、微笑んだ。

「みわっち……息止めてたんスか?」

「だ、だってどうすればいいのか分かんなくて……!」

彼の切れ長の瞳がみるみるうちに見開かれる。

「みわっち、もしかして……キス……初めて?」

「す、すみません……今日が正真正銘、初めてでした……」

「そっか……なんのムードもなくて、ごめん」

そう言いながらも、また顔が近づいてくる。
長い長いくちづけが、始まった。

キスをしていると、腰から下のあたりがなんだかそわそわしてくるというか……力が入らなくなる。

黄瀬くんが腰を支えていてくれなかったら、恐らく身体を起こしていることすら出来ていないだろう。

「……舌……入れてもイイっスか?」

「……!」

そう言ってぺろりと少し舌を見せた黄瀬くん。
その仕草がとってもいやらしく、艶めかしく見えた。

「……え……えっと、え、あの、ど、どうぞ……?」

黄瀬くんはくすくすと笑うと、舌で私の唇を弄りはじめた。

「ん……っ」

「その声、エロくて好き」

「え……っ何それ……っあ」

舌が、口内に入ってくる。
さっきまでの優しいキスとは、全然違う。

支配される。熱くて、柔らかくて、別の生き物みたいな舌に、犯される。
感じたことのない触感で……

息が荒くなる。頭に靄がかかる。
これ以上は自分がどうなるのかさえ、わからない。

「ま……まって……はっ……あぅ……」

口もとから唾液が流れ落ちるのを感じる。
私の? 黄瀬くんの?

黄瀬くんの舌が上顎を撫でたとき、感じたことのない感覚に、身体が跳ね上がるほど反応してしまった。

「ふぁっ……!?」

「ここ、弱いんスね」

絡み合う舌と身体。

頭に靄がかかって、理性的に考えること自体が、できなく……なってくる……。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp