第45章 欠落
『あっ、あ……ん、涼太……』
私は相手の首に腕を回して喘いでいる。
『みわ、ココ?』
優しく、でもしっかり奥まで突かれて。
ぐちゅぐちゅと結合部から聞こえてくる音が興奮を煽る。
『あっ! そ、そこ、だめ……』
引き締まった腹部が艶めかしく前後し私を貫いていく。
『イイんだ?』
弱いところ、そんなに攻められると……
『ああっ……んん、や、やぁ……あ』
柔らかい唇が重なって、舌が絡まって、濡れて……いく……
『みわ、可愛い』
全身をぶわっと包むような快感。
くる。
『ああっ、……いっちゃ……う、……ん……りょ、涼太……!』
「……あ……っ」
「みわ!?」
病室の天井と、覗き込む黄瀬くんの顔。
……え、今の、夢?
覚め際にビクンと身体が大きく痙攣し、今もピクピクしている。
身体中にじわりと快感が走る。
何、これ……?
「あれ、私寝て……た?」
「うん、寝てたんスけど突然身体が痙攣するから……どこか痛い所ないっスか?」
"りょ……涼太……!"
涼太、って事は……相手は黄瀬くんだったってこと……だよね?
ハッキリ、挿入されている感覚があった。
私、まだ処女なのに。
……黄瀬くんと付き合ってたって……まさか、そういう事もしてた?
いや、それは考えられない。
男性とあんなことするなんて、無理だ。
あんなに鮮明に感覚があるなんて。
恥ずかしい。
あんな妄想を夢に見るとか……あまりにも生々しくて、本当に現実かと思った。
でも、着衣の乱れはない。
当然だ、ここは病院なんだから。
黄瀬くんに気付かれないようにそっと下着に手を入れると……中は驚くほど濡れていた。
やだ、私、もしかして漏らした……!?
「みわ、顔が赤い。先生、呼ぼうか?」
「だっ、大丈夫……ごめんなさい、ちょっとお手洗いに」
「立てる?」
「あ、ありがとう」
黄瀬くんの腕につかまり、ベッドからゆっくり降りる。
バスケ部のメンバーとは、こうして身体が少し触れ合うのは平気なはず。
マッサージもしているし。
"みわ、可愛い"
あんなにいやらしい夢を見るなんて!
申し訳なさすぎて、黄瀬くんの顔が見れなかった。
妄想を吹き飛ばすように頭を振り、濡れた股間をトイレで拭った。