第44章 急転
「笠松先輩、まだ帰られないんですか?」
職員室からの帰り、先輩はまた部室に戻るとのこと。
「ああ、まだ途中だったからな。あともう少しなんだけど」
主将って、大変だな……。
「では、お先に失礼いたします!」
「お疲れ」
涼太が待ってる。
急がなきゃ。
どんくさいって言われたけど、頑張って走るんだ。
『今夜は優しく抱いてあげる……』
うう、涼太って、なんでああいう恥ずかしいこと、サラッと言うんだろ……。
……でも私、期待してる。
どれだけ抱かれても、まだ求めてしまう。
彼との熱い夜を思い出して、私の中心が疼いた。
走っていても、汗だくになる事がなくなった。
少し肌寒さを感じる季節になったな。
あんなに暑かったのに。
……初めて涼太に会った時も、春でまだ肌寒い季節だったなあ……。
なんか、これまであっという間だったような色々あったような。
秋ってやっぱり、切なくなるのかな。
なんか感慨深くなっちゃうな。