第43章 告白
……しかし、衝動的にヤッてしまった……。
おまけに学校で。
建物の陰に微かに人の気配を感じていたけど、オレももう止められなかった。
誰が見ていたんだろう?
……ま、考えても仕方ない。
オレ、ガマンが足んねーんスわ……ここは可愛いみわのせいにしとこう。
そうしよう。
元々アオカンの趣味は一切ない。
密室での行為の方が好きだ。
すっげー気持ち良かったけど。
放課後、部室に向かっていると新しく入ったマネージャー3人組が前を歩いていた。
「神崎さん、超カッコいいよね!」
お、みわの事っスか?
つい耳を澄ませる。
「ほんと、同じ1年とは思えない! なんであんなに色々知ってるんだろ」
「でも神崎さんって、高校入ってバスケ勉強し始めたみたいだよ?」
そうっスよ。
毎日、メチャクチャ勉強してるんス。
「うそー! 凄くない!?」
そう、凄いんスよ。
みわが褒められていると、自分まで嬉しくなる。
「勉強もトップだし、校外に出すレポートとかもいつも金賞だし、優しいし……」
うんうん。それにエロいし可愛いしね。
「何より……」
『黄瀬くんの彼女ってのが凄いよねぇ〜いいなあ〜羨ましい!!』
最後はそこっスか!? と思わずズッコケそうになるけど……。
「黄瀬くんって付き合ったらどんな感じなのかなあ」
いや、普通っスけど……基本的にバスケばっかでほったらかしだし。
「すっごい紳士的っぽいよね!?」
紳士的……昼休みに半ば無理矢理ヤッてたっスけど。
思いっきり泣かせたし。
「テクニシャンっぽい〜!」
あ、みわに関してはうまくいじめられるようになったっスよ。
セックスの上手い下手では、オレも過去にイヤーな思いをしたことがあるっスけどね。
オレ、相変わらず理想と現実のギャップがハンパないんだろうな。
とりあえずその3人を抜かさないといつになったら部室に辿り着けるか分からないので、思い切って間を通り抜けさせて貰う。
「きゃあ、黄瀬くん!」
「あ、お疲れ様っス〜」
「練習、頑張ってね!!」
「ん、ありがと〜」
きゃあきゃあという声が遠くに聞こえる。
女のコって……元気っスねえ……。