• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第43章 告白


「……みわ」

「あ、黄瀬くんお疲れさま!」

みわが笠松センパイや小堀センパイと話した後、楽しそうに駆け寄ってきた。

朝練ももう上がりだ。
体育館に軽くモップをかけてすぐに教室に戻らないと。

「大丈夫だったっスか?」

「ん?」

「さっき、転びそうになったっスよね」

「ああ、そうなの! びっくりしたあ。小堀先輩に助けて貰っちゃって」

「ケガなくて、良かったっスね」

アンタ、オレが他の女に触れるの嫌って泣いてなかったっスか?

オレが、同じように思うって想像つかないんスか?

いや、じゃああの場面で転んでたらいいかってそうじゃないんスけど……。

よりによって小堀センパイって。
センパイも、嬉しそうにしてたし……。

クソ……なんだよオレ、ガキか……。

「みわ、今日昼、ふたりで食べない?」

「うん、いいよ。あきには言っておくね」

分かってんのに、胸が焦げ付くようにジリジリする。
オレ全然成長していない。

いつまでもこの独占欲をコントロール出来ない。



授業中、集中しているみわの横顔は綺麗だ。

あの頭の中に色んなものが入ってるんスね……。

この聡明なみわと、オレの腕の中の乱れた彼女を想像して興奮した。

もっと、オレでいっぱいになればいい。





「黄瀬くん、お昼どこで食べる?」

学校では『黄瀬くん』で徹底してるらしい。
涼太って呼んで欲しい。いつもみたいに。

そういうところは抜かりないというか……。
器用にこなしているなと感心する。

「こないだ昼寝したとこ」

「あ、体育館の? って……ちょ、ちょっと!」

イライラする気持ちをぶつけるように、みわの手を引いて走り出した。

「黄瀬くんっ、そんなに急がなくても……っ」

「いいから」



「はあ、はあっ……ど、どうしたの一体……」

みわが額に光る汗を拭った。
バスケ用体育館裏には今日も人影がない。

専用体育館じゃない方には、たまに人が来たりするからうざったいが、バスケ用体育館は更に奥にあるので、昼休みは人気がなかった。

「別に」

「別にって……急いでたんだよね?」

「みわ、こっち」

みわの腕を強く引いてオレの太腿の上に座らせる。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp