第43章 告白
……ん?
視界が……明るい?
「ああああああ朝!?」
昨日……確か……涼太と……私、寝ちゃった……?!
うう、やらなきゃいけない事いっぱいあったのに……!
バタバタと朝ご飯を準備してから、シャワーを浴びる。
あれ、洗濯物どうしたっけ?
洗濯しなきゃいけなかったんだ。
カバンの中を見ても洗濯物がない。
記憶にない。学校に忘れてきた?
いやいや、忘れるわけがない。
もしかして……
ベランダを覗くと、目に入ったのは綺麗に干された洗濯物たち。
触ると、全て乾いていた。
洗濯、してくれたんだ……。
「あ、みわ、オハヨ」
ロードワークを終えた涼太がリビングに入ってきた。
「……洗濯、ありがとう。昨日……寝てしまって、ごめんなさい」
「いいんスよ。疲れてたのにごめん」
……昨日のこと、蒸し返すのはやめよう。
また同じ流れになりそうだし……。
……ぺちゃぱいなのは変わらないんだし……。
とにかく!
今日も午後練は監督の代わりだし、気合い入れていこう!
「みわ、今日は離れないで歩いてね」
「う、うん」
何故か密着して登校する事に。
一体どうしたのか涼太は。
朝練の時間もそろそろ終わりを迎えた時、笠松先輩に声を掛けられる。
「神崎、午後のメニューなんだけど」
「あっハイ!」
「悪い、小堀もいいか?」
「ああ」
小堀先輩がこちらに向かってくる時に、フェイスタオルがひらりと床に落ちた。
先輩は気付いてないようだ。
「あ、小堀先輩、タオルが……」
タオルを拾いに行こうとした時に、視界が一瞬止まって、回転する。
「っ!?」
何かに足を取られた。
転ぶ……!
「神崎!」
あれ……
転んで……
ない……
「大丈夫? 神崎」
小堀先輩が抱き留めてくれていた。
「すっ、すみません先輩! なんか足が滑っちゃったみたいで……!」
逞しい腕に、黄瀬くんとは違う胸。
違う香り。
腕はなかなか離れない。
「……先輩?」
「……あ、ごめん、床に溜まっていた汗で足が滑ったみたいだね。気を付けて」
「ありがとうございます……! 先輩、タオルが」
「ああ、これ拾ってくれようとしたの? ありがとう」
ああ、びっくりした。
良かった、転ばなくて。