第42章 休日の過ごし方
「……裸エプロンって……そ、そういうことするための、格好って、ことだよね?」
ん?
「……そうなんスか?」
「……」
「あれ……オレは可愛いみわをいじめられれば、それで」
それで、満足だったんスけど……?
「……」
みわがみるみるうちに赤面していく。
「したい、ってわけじゃなかったってこと?」
「あ、うん、そうっス……けど、いや、そういう雰囲気になればそれはそれで」
これはもしや……
「……私、そういうお誘いなのかと思って……」
「あー……えっと……その姿のままソファで誘われてるこの状態も、だいぶイイんスけどね」
「…………」
チーン♪♪と、乾いた空間に響くレンジの音。
「あ、みわ、ドリア……で、できたみたいっス……よ……?」
「りょ、涼太、笑いこらえてるでしょう!?」
「プハッ、ごめん、みわがあまりに健気で可愛すぎるんスもん、つい」
だからどうしていつもいつもオレのために我慢しちゃうんスかね。
「うう……」
「オレが紛らわしい事したからっスよね。ごめんね」
でも、今回はたまたまみわが勘違いしていただけだけど……。
オレたちにとって大きな課題だ。
オレは、みわが怖いというものを無くしてあげたい。
全てのトラウマを解放してあげたい。
……そんなに簡単な事じゃないってことは、分かってる。
でも、一部を知ってしまったことで、オレの中にもどす黒く澱のように積もってしまっている感情がある。
何も考えず、ただひたすらにお互いを感じられるようになりたい。
ゆっくり、何年かかってもいいから。
「みわ、食べよ?」
「……ハイ……」
結局みわは、食事中一度も口をきいてくれなかった。
紛らわしい事して、反省はしてるっスよ?
……でも、まあ、そーゆー可能性を全く考えてなかったって言ったら大嘘っスけど。
男なら誰だって、そうっスよね?