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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第42章 休日の過ごし方


恥ずかしい。

後ろからということは……全て、見られているということだ。

こんな場所で。

涼太……これって……このまま、最後までしたいって……ことだよね……?

そう思うと、目の前には涼太がいないのに後ろから続けられる愛撫に、違和感を感じてきた。

……後ろにいるの、涼太、だよね?

当たり前だ。
ここには、ふたりしかいないんだから。

なのに、勝手に心臓が嫌な音を立てる。
キッチン台についた指が僅かに震える。

思わず後ろを振り返り、涼太を確認してしまう。

涼太と目が合った。

「……後ろからだと、オレが見えなくて怖い?」

さっきまでの少し意地悪な口調から一変、優しく気遣われるような囁き方。

正直に言うと、怖い。
いま物凄く、怖い。

今までも怖くなってしまうことが沢山あったけど、目の前の涼太が優しく包んでくれたから、今ではああやってセックスできるようになった。

でも、後ろだけはやっぱり怖い。
ただ、見えないだけなのに。
こんなに怖いとは思いもしなかった。

このまま……最後までしたら涼太が見えてない間、どういう風にフラッシュバックしてしまうかが想像できない。

「……ごめんなさい、少しこわい……」

全部、涼太で塗り替えて欲しい。
でも、積極的にそう言えるほど、受け止められる器が私にはない。

「謝らないで。調子乗って、ごめんね」

そう言って優しくキスをしてくれたけど、私のこの気持ちは、涼太の傷まで抉っている。

「ううん、涼太は悪くない……おかしいでしょ、此の期に及んで怖いとか」

普段、あんな事までしているのに、こんなことくらいで、怖いとか……笑えてくる。

どれだけ自分勝手なんだ。私は。

「おかしくないっスよ。言ったでしょ、ひとりで泣かないで。ひとりで苦しまないで」

そう言ってくれる優しい声に甘えていいのか。
どうしたら正解なのか、分からない。

あれだけ、涼太とひとつになれる行為をしたのに、私の頭と身体にはまだあの時の記憶が染みついている。

いつになったら、解放されるの。

解放されたい。

「りょうた……」

「うん、どうして欲しいっスか?」







「…………たすけて」








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