第42章 休日の過ごし方
柔らかい。
あたたかい。
気持ちいい。
みわの夢を見た。
……オレ、寝てたのか。
うっすらと目を開けると、色白の肌が眼前にある。
首筋から下に向けてついている紅い跡はオレがつけたものだ。
肌はきめ細かく繊細で、美しい。
寝息は聞こえない。
起きているのだろうか?
……ふと、自分が子どものように彼女に抱きつき、包んで貰っている体勢だという事に気が付いた。
勿論、無意識。
まるで母親に甘える赤ん坊だ。
それでも頭を撫でる温かい手と背中を叩く優しい手が気持ち良くて、ずっとこのままでいたい。
海常のエースでもなく、キセキの世代でも、モデルでもない、ひとりの男としての黄瀬涼太。
素のオレでいられるのは、ここしかない。
……昨日、みわのナカに包まれるようなセックスをしたからだろうか?
時間をかけて愛し合うと、あんなにも違うものなのか。
まるで全てが溶け合うような、最高の快楽。
みわのナカはいつも入れるとすぐイキそうになってしまうが、昨日は更に柔らかく熱く絡みついてきて、まるで別の生き物みたいで。
溢れる愛液がオレのペニスまで溶かすような、とにかく凄い一体感。
みわと、心からひとつになれた。
そんな気がする。
こんなにも愛しくて、胸が苦しい。
まるで少女マンガのヒロインだ。
この柔らかい谷間に吸い込まれたい……
思わず胸に顔を埋めた。
ピクリと反応するのが可愛い。
やっぱり起きてるんスね。
女性というのは、どうしてこんなに包容力があるんだろう。
普段、彼女を守れる存在でありたくて男として行動することもままあるが、母性には敵わない。
「……涼太?」
優しい声。
ずっと聞いていたい、身体に響く声。
「……ん……?」
つい気怠い声になってしまう。
この身体に包まれていると、力が入らない。
ふと気付くと、コンドームが被ったままだった。
そうか、挿入して果てたまま、寝てたのか。
すっかりと元気が無くなって、抜けてる。
「……もう、お昼になっちゃった」
時計を見ると、時間は既に午後だった。
「……そうっスね……でも、もすこし」
くすくすとみわが笑い、胸が揺れた。
「思う存分、甘えてくださいな」
お言葉に甘えて……。