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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第42章 休日の過ごし方


またしばらく寝ていたようで、微睡んでいるとお尻に温かいものが当たる。

……涼太の……手?

睡魔に逆らってなんとか目を開けると、いつもは顔の上か目の前にある涼太の顔が、私の胸の上にあった。

「!?」

まるで甘えるかのように、抱きつかれている。

いつもは、守って貰うように彼の腕に包まれて眠っているから、こんなことは初めてかもしれない。

そしてやはり、目を覚ます気配がない。

……長い睫毛が上から見ていても分かる。
本当にこのひとが、あの黄瀬涼太?

海常のエースで、誰よりも努力していて、コート上では誰よりも輝いていて、誰からも愛されている黄瀬涼太?

まるで子どものようにすやすやと眠るその姿は、何よりも愛しかった。

頭を撫で、子どもを寝かしつけるかのように背中をぽんぽんと叩くと、にこっと微笑んで顔をすり寄せてきた。

……かわいい……

一般男性から見たら非常に大柄である彼のこんな姿が意外すぎて。

普段、ベッドでは完全にリードして貰っているし……。

人懐っこい面もあるけれど、それは本当に一部の人に向けられているものだしな……。

それだけ、心を許してくれてるってことなのかな。嬉しいな。

今日は、彼が起きるまでこうしていよう。
早く目を覚ましてお喋りしたいような、このまま暫く目を覚まさないで欲しいような。

鼻をくすぐる甘い香りに負けて、髪にキスを落としたところで涼太が覚醒の兆しを見せた。

「……ぅ……」

腕に力が入る。
寝ぼけてる?

胸の谷間に顔を埋め始める。

あきの言う通り、私最近胸が大きくなった。
そんなに大きくはないけど、谷間があってよかった。
……って、何を言ってるの。違う違う。

「……みわ……」

「うん?」

……
返事をしたものの、そこから会話はない。
……私の夢、見てるのかな……。

吐息が肌に直接当たって熱い。
変な気持ちになっちゃう。

はあ、好きだな……。

この人と一緒にいる時間が。
交わり合う感覚が。

こんなに幸せでいいのかな。
あんなにたくさんのファンがいる涼太。
私のこの幸せって、誰かの我慢の上に成り立ってるものなのかな。

バチが当たりそう。




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