第42章 休日の過ごし方
ふたりで触り合いをしているうちに、気づけばどちらも裸になっていた。
それでも、いつものセックスとは明らかに違う。
もう、時間にしてみたら何時間か経っているのにまだ挿入はしていないし、ふたりとも絶頂には達していない。
いつもは、涼太がリードしてくれてその下で私がひたすら気持ちよくして貰う、という感じなんだけど、今日はお互いがお互いに気持ちよくし合うっていうか……。
「オレ、休みの日にこうやってスローセックスしてみたかったんスよね」
「……スロー、セックス?」
ゆっくりな、セックス?
「うーん、オレもちゃんと言えないっスけど、簡単に言うと、入れてイクだけじゃなくて、もっと、こころを寄せ合ってゆっくり感じる気持ちいいセックス、って感じ?」
「ゆっくり感じる……」
「オレ、いつもイカせたい、入れたいでセックスしちゃうから、みわとゆっくりこうしたかったんスわ」
前にも挿入せずにいちゃいちゃして終わったことがあったけど、それともなんか違うよね。
今回はちゃんと裸になっているし。
確かに、この触れ合って抱き合う安心感は普段の快楽とは似て非なるもので。
幸福感に満たされてる。
優しく、ゆっくり触れられるのも気持ちいい。
涼太の指が、耳に触れる。
「……あ……」
「……みわは耳、弱いっスよね」
「……涼太は……?」
真似して、涼太の耳を触った。
「ふ、なんかくすぐったいっス」
「涼太は……どこが気持ちいいの……?」
少し涼太は困った顔をした。
「んー……正直、自分のどこが性感帯かってのはイマイチよく分かんないんスわ。みわの気持ちいいとこならよーく知ってるんスけどね」
知りたい。
「……涼太の気持ちいいとこ、知りたい」
私の上に乗っている涼太の肩口を軽く押して、今度は私が上になる。
恥ずかしい、けど……。
涼太が優しく微笑んでくれるから。
「……そう言ってくれんの、嬉しいっスね」
「う、うまくできないけど」
涼太がいつもしてくれるように、触れるか触れないか、柔らかなタッチで首筋に触れ、舌を這わせる。
涼太がピクンと反応するのが分かる。
「……ん……」
気持ち、いいのかな。
そのまま、鎖骨へ指と舌を動かすと、涼太からまた微かに甘い声が漏れた。