第42章 休日の過ごし方
「……"ちゃんと"じゃなきゃ結構な数を経験したって言ってるんだよね、それ……?」
キスしようとしてきた唇を避けて顔を逸らした。
「もー! 違うってば! みわ、なんでそんなに突っかかるんスか!? ……もしかして、ヤキモチ?」
「っ!」
やだ、恥ずかしい。
この間あきにあんな風に嫉妬したばかりなのに。
「……もういいよ、この話、やめよう」
「妬いてくれたんスか? みわ! 可愛いっスね〜こっち向いて! ほら!」
「やだ……みっともな……」
今、きっとすっごいブスだ。
顔、見られたくない。
顔を逸らしていると、チャンスとばかりに涼太の手が器用に私の部屋着のボタンを外す。
「ちょ、ちょっと!」
「オレのシルシ、付けさせて」
涼太の唇が首筋から鎖骨、乳房へと移動し唇の通り道に赤い跡が残る。
「っあ……」
「……前にも言ったけど、過去はもう変えられなくて……オレも、みわが初めての相手だったら良かったって、後悔することもあるんスよ」
「……え?」
「なんでもねっス。聞かなかった事にして」
早口になってそう捲し立てる涼太。
「待って涼太、いまの、本当?」
初めては、私が良かったって。
「ごめん、ホント今のなかったことにして。自業自得の癖に、女々しい事言ってカッコ悪い」
唇が乳首に触れた。
「あっ、涼太……」
緩く訪れる快感と共に、目頭が熱くなる。
「……みわ、なんで泣いてんスか」
「……わかんない。嬉しかったから……かな」
涼太の唇は変わらず額や頬、耳に胸元とあちこちを優しく刺激する。
「いま、私だけならそれで、いい……」
「みわ」
「……妬いちゃうけど。正直、嫌だけど。でも、いい。大丈夫」
涼太がそっと優しく抱きしめてくれる。
「……ありがと、みわ」
「で、でもヤキモチは多分、これからも妬いちゃうと……思うよ……」
「オレだってみわが他の部員と話してんの、気が気じゃないっスから。おあいこっスかね」
あちこちに落とされるキスが気持ちいい。
指は優しく、全身を愛撫している。
「うん、そうだと……いいな」
私も、涼太の身体に優しく指を這わせていった。