第42章 休日の過ごし方
ハッと気がつくと、目の前にはテレビ画面があって、先ほどやっていたニュース番組はすでに終わっていた。
いけない、寝ちゃってた!?
画面左上の時間を見ると、軽く40分以上は寝てしまっていたようだ。
身体を起こすと、涼太が隣に座ってテレビを観ていた。
「あ、起こしちゃったっスか?」
「ごめんね、寝ちゃってた」
「……オレの独り言、聞こえてた?」
独り言?
「聞こえなかった……なんて言ったの?」
「いや、なんでもないんス」
少し慌ててそう言う涼太。
変なの。
「眠かったら寝てていーんスよ? 休みなんだし」
「ううん、休みだからこそ起きなきゃ勿体無いし……」
「みわらしいっスね」
ああ、でもダルいな……
眠りたい……
「みわ、お腹空いた?」
先ほど吐いたから、実は気分があんまりよくないんだけど……。
「お腹空いてるわけじゃないんだけど、食べようと思えば食べれるよ」
「じゃあ、軽くスープでも飲んで横にならねっスか? オレ、眠くて」
「……そう?」
走ってきて更にシャワーまで済ませた涼太が眠いってちょっと不自然な気が……
私が眠そうにしてるから気を遣ってくれてる?
でもね涼太、今日は快晴なんだ。
快晴ってことは……
「……私……大きな物、洗濯したくて……」
あーだめ、目蓋が閉じる。
また明日でもいいかな……いややっぱり今日……
……
ね む い ……
ふわふわ。
ふわふわ。
空に浮かんでいる雲に寝転んで空をふわふわしている。
ああ気持ちいいな、と思っていると眼下の商店街に引ったくりが出たらしい。
慌てて雲を操作して、犯人を追いかけて……もう少しで手が届く、もう少しで、手が、
「届いた!」
「わ、びっくりした」
……ん?
背中が柔らかい。
ベッド?
「あれ?」
「何に届いたんスか?」
涼太が肩を震わせて笑っている。
「……商店街の引ったくり……」
「ぶっ、どんな夢なんスか? みわ、眠い時は寝た方がいいっスよ」
その優しい声に癒されるんだけど……。
「ううーお洗濯……」
足をバタバタして何とか目を覚まそうとする。
「布団は干したし、シーツとかも洗って干したっスよ、だから大丈夫」
そう言って、優しく頭を撫でてくれた。