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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第40章 独占欲と


「あ、オレ汗臭いっスよね」

「ううん……涼太の汗のにおい、すき……」

顔をすり寄せて香りを堪能する。

「みわっち、煽んないで貰える……?」

「ん……?」

「ごめん、前言撤回。オレは下心だらけのダメなヤツっス。……戻る前に、キスしていい?」

耳元で囁かれると、たとえ今が最中じゃなくても、感じてしまう。

「だ、だめっ! うつっちゃうから!」

両手で涼太の口を押さえつつそう答えたものの、涼太の声と目が甘すぎて。

「いーじゃないっスか」

「だめだめ! 今は大事な……っん!」

するりと手を避けられ、柔らかい唇が重なった。

「んっ、んんっ……!」

うつっちゃうってば……!
抵抗しても、涼太の力にはかなわない。
段々、気持ち良くなって、流されてしまう……。

「んっ……は、ふ……」

反応しちゃだめ。なのに、身体が涼太の唇の動きに合わせて、ぴくぴくと動いてしまう。

「……感じすぎ、可愛い」

数秒前の抵抗した自分はなんだったのか。
身体が熱い。

気づけば私も舌を絡めていた。

「ん、んんぅ……ふぁ、りょ、たぁ」

頭がぼーっとする。
気持ちいい。気持ちイイ……。

「う、時間切れ」

「……あ……」

「オレ……自分で自分の首締めたっスわ」

涼太も顔が赤い。いつも余裕なのにこんな風になるの、珍しい。

「……じゃあオレ、戻るっスね」

「ありがとう……行ってらっしゃい」

優しく額にキス。
元気出さなきゃ。



涼太が去った部屋は、とても静かで。
まだ温かいお粥をゆっくり頂いた。

「……おいし」

涼太の顔を見たら、食欲が出てきた。
薬を飲んで、少し眠ろう。

涼太のTシャツの香りと、ベッドの残り香ですぐ眠りに入ることができた。





「……ん」

枕元の時計を見ると、ちょうど部活が始まる時間だった。

凄い汗だく。
おかげで、熱も下がってる。
身体からだるさが消えていた。

着替えよう……。
自分の部屋に服を取りに行こうとして、足が洗面所に向かう。

涼太がいつも着替えを入れている引き出しを開け、その中から1枚、Tシャツを取った。

……ごめんね。お借りします。
着ると、涼太の香りがふわりと包んだ。

昼間のキスを思い出して、身体が熱くなる。
あんな風に感じるのは、涼太にだけ。

「涼太……」

また少し、寂しくなった。



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