第40章 独占欲と
「ううう、頭イタ……」
気合いも虚しく熱が下がらなかった私は、結局今日1日、学校を休む事にした。
涼太も休むときかなかったけど、今は大事な時期だもの、私に構わず頑張って欲しい。
彼のバスケが好きだ。
毎日、物凄い速度で成長してる。
3年生も最後の大会だし、優勝を飾りたい。
バスケ頑張るのはもちろんだけど……ちゃんと授業は起きていられるのかな。
練習も日に日に過酷になっているし、そこは期待しない事にしよう……。
頭がボーッとする。
ずっと寝ていると腰が痛くなるんだな……。
……昨日の体位のせいもある?
あんな風に入れられたの、初めてで。
奥までまっすぐ入ってきて、すっごく気持ち良くて……
思い出してやや動揺し、うつ伏せになって枕へ顔を押し付けた。
……寝なきゃ。
寝ても、苦しくてすぐ目が覚めてしまうからなかなか熱が下がらなくて、でも身体はだるくて、寝たり起きたりの繰り返し。
……学校はお昼休みの時間……。
ご飯……作っておいてくれたって、言ってた……。
ありがたいなあ。
でも、起き上がろうと思うけど、そんなに食欲が出なくて……だるいな……。
もう少し……眠ってからにしようかな……。
……風邪ってこんなに辛かったんだっけ……久しぶりだから、ちょっと心細いな……。
あ……やだな、なんか泣きそう……。
「はぁ、苦し……りょうたぁ……」
ぐすんと鼻を啜って弱音を吐いた。
ひとりの時くらい、いいよね。
「はいはい、涼太っスよ」
突然響いた甘く優しい声に驚き、飛び起きる。
「!?」
「わ、突然起きちゃダメっスよ。お粥食べれる?」
手には湯気が出た小さな鍋が。
「え、え、ええ!? どうして!? 学校!」
「昼休み始まってすぐ走って来たから。学校の近くに引っ越した甲斐があるっスね」
「え、じゃあ、お昼食べてないんじゃ」
「朝作り置いた分をさっき食べたっス。みわっち、食欲なさそうだったからお粥にしてみたんスけど」
突然すぎて頭がついていってない。
「ぜ、全然気づかなかった」
「帰って来た時覗いたけど、寝てたみたいだったから声かけなかったんス。食べれそうにないなら無理しなくていいからね」
お鍋をサイドテーブルに置いて、額に大きな手が触れた。
それと同時に、目から大粒の涙が溢れてしまった。