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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第39章 本音


仲直り。

良かった。これでいつも通りだ。
私の醜いところも、見せなくて済む。

寝る支度をして、黄瀬くんの部屋のドアノブに手をかける。

たった数日ぶりなのに、緊張した。

部屋に入ると、黄瀬くんは、ベッドの上に座っていた。

「……寝てて良かったのに」

「ごめんっ! みわっち!!」

黄瀬くんが深々と頭を下げた。
ドアの前に立ち尽くす私。

「……え……」

「どんな話の流れだって、あきサンと誤解されるようなことをしたのは事実だし、ごめん。みわっちを傷つけて、本当にごめん!!」

……やめて

「……も、もう、きにしてないから……私も、ごめんなさい……」

やめて……

「みわっち、どんな気持ちだった? ねえ、教えて? オレ、みわっちのこと全然考えてなくて、ホントに」
「やめてよ!」

「……みわっち?」

「やめて。謝らないで。悪いのは黄瀬くんじゃない」

「ううん、悪いのはオレっス。みわっち、ごめん」

言いたくない。
見せたくない。
こんな私。

「ねえ、みわっち……嫌だった? オレが、隠れてあきサンと付き合ってると思った……?」

言いたくない、のに。



「……思ったよ」

「オレ、好きなのはみわっちだけだから。付き合ってなんかないから。絶対に」

もやもやしたものが込み上げてくる。
ぶつけちゃだめ。こんな自分勝手な気持ち。

「それはもう……ちゃんと、分かってる」

黄瀬くんの言葉、信じてるから。

「ホントに、みわっちだけだから!」

だから、これ以上は言ってはいけない。




「じゃあどうして……」

だめ、なのに止まらない。

「わ、私だけが好きなら……っ! 何があっても、どんな事があっても、冗談でも、私以外の子に……さわらないで」

言ってしまう。言葉が、勝手にこぼれる。

「こ、こんなの、ただの嫉妬だって分かってる。私、あきみたいに美人じゃないし、そういう話できないし、積極的になれないし、満足させてあげられない……っ!」

涙が出てくるのがわかる。
止められない。ずっと我慢できてたのに。



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