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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第38章 嫉妬と喧嘩


「セ、センパイ、オレ」

「……まあ……神崎はお前の事が大好きだから。俺は、お前と幸せになって欲しいけどな」

違うんスよ。
オレもう、嫌われたっス……

「……感情的になって、大事なもの見失うなよ」

大事なもの……。

「……ハイ」

大事な、みわっち。





センパイに言われて分かった。
みわっちが他の男と付き合うなんて、考えられない。

絶対、渡さない。
渡したくない。

もう嫌われちゃったかもしんないけど、みわっちに分かって貰うまで、話す。
謝る。

上手い仲直りの仕方なんて分からない。
オレに出来るだけの事をするだけ。

そう意気込んで自宅のドアを開けたが、玄関にみわっちの靴はなかった。

オレより随分早く帰ったはずだ。
あきサンの家に……行くわけないか。

みわっちが他に泊まるようなところ、あったか?

実家……は考えられない。

彼女の部屋のドアを開けると、部屋は当然、真っ暗だった。

嫌な予感がして電気をつけるが、荷物は今まで通り、ちゃんと置いてある。

出て行ってしまったわけではない、と思う。

……不謹慎にも、みわっちの香りにドキドキした。

廊下へ出ても、帰ってくる気配はない。
リビングもキッチンもバスルームもトイレも無人だ。

みわっちの携帯に電話をかけるが、コールするだけで繋がることはなかった。

……着替えて、外に探しに行こう。

自分の部屋に入り制服を脱ぎ、ハンガーにかけたところで玄関のドアが開く音がした。

慌ててTシャツを出し、着替える。
続けて、廊下からガタンという大きな音。

「みわっち!」

部屋を飛び出すと、みわっちの部屋のドアノブに手をかけたまま、ドアにもたれかかっている彼女の姿が。

頭がだらりと下がっている。
貧血……!?

「みわっち、どうし……」

みわっちの全身が濡れている。

「……雨降ってきたの?」

返事はない。
身体が震えている。

「タオル持ってくるから、待ってて!」

タオルで髪を拭いてやる。

「みわっち、このままお風呂入って」

肩に手を添えて、腕を引こうとすると物凄い勢いで拒否された。

「だ、大丈夫だから……っ!」


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