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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第6章 日常の変化


外で男子がわいわい遊んでいる声が微かに耳に届く。

それ以外は……何も聞こえない……静かな部屋……。

今……何時だったっけ。

うっすら目を開けると、隣に気配。
……顔を上げると、隣に黄瀬くんが座っていた。

「!?」

「あ、みわっち、おはよ!」

うう、爽やかすぎる。
眩しい。

あ、さっきのメールを見て、来てくれた……?

「ここ、静かでいいっスね〜!」

「ごめん……なんか用だった? 起こしてくれれば良かったのに……」

ふと、さっき考えていたことを思い出す。

ゴールデンレトリーバー。
それも、毛並みのいいやつ。

つい、くすっと声に出して笑ってしまった。

「えー、なんスか〜? 今なんで笑ったんスか?」

「ううん、なんでもないよ。ごめんね。ふふ」

「えー気になるっス〜。……それ、何読んでたんスか?」

うっ。

「えっ……えっと、ちょっとした本」

しまった、そのままにして寝ちゃったんだ。
ブックカバーをつけてて良かった。
これを見られるわけにはいかない……。

「ぷっ、なんスかそれ〜! 見せて見せて?」

「あ、ちょっと……だめっ!」

黄瀬くんが覗き込んできて、咄嗟に隠そうとしたけど……手遅れだった。

「……バスケットボール入門?」

「……私、バスケのこと、よく知らないし……」

黄瀬くんの表情がパッと明るくなる。

「もしかして、マネージャーやってくれるんスか!?」

「いや、そういうんじゃなくて、もっと前段階っていうか、あの、バスケのことよく知らないのにマネージャーなんてそんな……だから、基本的なことをまず勉強しようかなって……」

「みわっちはほんと、真面目っスね! マネやってくれるの楽しみっスわ〜!」

き、気が早い!

「そ、そんなことより、体調はどうなの? 朝はまだ少し咳してたけど……」

顔色は、すっかりいつも通りだ。
長引かなくて良かった。

「ああ、薬飲んだらもう咳も出なくなったっスね! 完治完治!」

「汗冷やしてぶり返さないようにね」

「うん、ありがと! なんか今の、マネージャーっぽくないスか?」

「も、もー、全部それに繋げてくる……」

困るけど、必要とされている……って、なんだかくすぐったい。
私がここに居て、いいって言ってもらえてるみたいで。




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