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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第6章 日常の変化


静かな旧図書室。
いや、今も図書室なんだから、"旧図書室"って呼び名って変な気がする……。

購買で買ったパンを食べ終わったあと、本を1冊机に出した。
ぱらり、めくって挟んでいた栞を抜く。

読書や勉強は、好き。
集中して、その世界に入っていけるから。

なのに……。

数ページ読んでいると、眠気が襲ってきてしまった。
パン、食べたからかな……。

旧図書室は日当たりが良くって、ぽかぽかしていると……気持ち、よく……

夢の中に落ちそうになった瞬間、スマートフォンの振動を感じて覚醒する。

「び、びっくりした……」

何事かと、慌てて画面を確認する。
……メール?

"みわっち〜、天気いいっスね!(≧∇≦)
みわっちはいつも、どこでお昼食べてるんスか〜♪"

き、黄瀬くん……私なんかよりもずっと女子っぽいメールだよ……。

"旧図書室でのんびり食べてることが多いかな。"

送ってから気がつく。
うわ……我ながら可愛げのないメール。
もっとこう、黄瀬くんのメールみたいに可愛らしく、華やかに出来ないのかな……うう、私にはハードルが高い!



それにしても……昨日、あんな風に男の子の部屋で一夜を過ごすことになるなんて、思いもしなかった。

なんで、いつもの恐怖感がなかったんだろう……黄瀬くんって、なんかおっきい犬っぽいから?

ついヨシヨシしたくなっちゃうっていうか。
大きな身体にサラサラヘア……ゴールデンレトリーバーみたいな?

「……ふふ、そんなわけ、ないか」

彼の事を考えると、何故だか心がほわんとした。
こんな気持ち、初めてだ。

ああ、だめだ、眠い……。
途中で本を読むのを諦め、机に突っ伏して夢の中に引きずり込まれていった……。



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